全運動量は太陽に集中し、自転しているのは巨大惑星のみ(2012年、日本)
太陽系の基礎データは意外にまとめてあるものが少ない。
しかも、結果の値しか書かれていないことが多い(参考文献[24]〜30)。
データというのは検証できるようにしておかないと意味がない。
運動量の値(特に太陽)はどのような計算で得た結果なのか書かれていないため(専門家にとってはあまりにも基礎的すぎるからだろう)、それを検証するのに無駄な時間を使った。
自転周期でさえ、見かけの値と真の値が曖昧に示されていることが多い。
ここでは、従来の間違った理論ではなく、
惑星の全運動量(線運動量と自転の角運動量の和)という正しい値を表とグラフにまとめることで、太陽系の全運動量が太陽に集中しているという真実を示す。
そして、太陽を除いて、
自転していると本当に言えるのは<span style="color:red; font-size:12pt">巨大惑星だけ</span>であり、
巨大惑星は転がっている状態に近いという新事実が明らかになる。
天体 |
全運動量 [kg m2/s] |
線運動量mrV 角運動量 |
質量m[kg] 線慣性m r |
角質量係数 C | 全運動エネルギー [J] | 赤道面での直径2r [km] | 平均軌道速度V | 真の自転による 地表面の速度 |
公転周期 | 見かけの自転周期 (恒星日,恒星月) |
真の自転周期 (太陽日) |
|
0.0 1.1044e42 |
1.9891e30 |
0.059 | 1.58224e36 |
1392020km |
0km/s | 1.86 km/s | −− | 27D6H36M (赤道) |
(赤道) | |
水星 |
(118657 : 1)※ | 3.3010e23 |
0.33 | 4879.4 km |
47.8725km/s | 0.001 km/s | 87D23.3H | 58D15.5088H | 175.9D | ||
金星 |
(23228 : 1)※ | 4.8690e24 |
0.33 | 12103.6 km |
35.0214km/s | 0.0038 km/s | 224.701D (順行:反時計回り) |
243.0187D (逆行:時計回り) |
116.751D (逆行:時計回り) |
||
月 |
3.9333e33 |
0.0 |
7.3477e22 |
0.394 | 3475.8 km |
1.023 km/s |
0.0 km/s | 27.32D | 27.32D (恒星月は公転と同期) |
∞ (自転していない) |
|
地球 |
(161 : 1)※ |
5.9736e24 |
0.3308 | 12756.273 km |
29.78 km/s | 0.4638km/s | 365.256363004D | 23H56M4.0905S | 24H | ||
火星 |
|
(251 : 1)※ |
6.4191e23 |
0.366 | 6794.4 km |
24.1309 km/s | 0.2404 km/s | 686.98D | 24.6229H | 24.66H | |
ヒマリア |
9.4008e27 |
(2152 : 1)※ |
6.7400e18 |
170 km |
3.3318 km/s | 0.0191km/s | 250.57D | 0.324D | 0.3244D | ||
カリスト★ |
5.5163e33 |
0.0 |
1.0760e23 |
0.406 | 4820.6 km |
8.20 km/s | 0.0 km/s | 16D16H32.2M | 16D16H32.2M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
|
ガニメデ★ |
9.3390e33 |
0.0 |
1.4820e23 |
0.3105 | 5262.4 km |
10.88 km/s | 0.0 km/s | 7D3H42.6M | 7D3H42.6M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
|
エウロパ★ |
2.0190e33 |
0.0 |
4.8000e22 |
0.330 | 3138 km |
13.7389 km/s | 0.0 km/s | 3D13H13.7M | 3D13H13.7M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
|
イオ★ |
4.9513e33 |
0.0 |
8.9400e22 |
0.378 | 3643.2 km |
17.334 km/s | 0.0 km/s | 1D18H27.6M | 1D18H27.6M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
|
アマルテア |
2.7769e28 |
0.0 |
7.4300e18 |
189 km |
26.479 km/s | 0.0 km/s | 11H57.4M | 11H57.4M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
||
アドラステア |
7.2894e23 |
0.0 |
2.0000e15 |
16.4 ±4.0 km |
31.378 km/s | 0.0 km/s | 7H9.5M | 7H9.5M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
||
メテ ィス |
3.4498e25 |
0.0 |
3.6000e16 |
43 ±4.0 km |
31.501 km/s | 0.0 km/s | 7H4.5M | 7H4.5M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
||
木星 ◉ |
|
(2.6 : 1)※ |
1.8986e27 |
0.254 | 142984 km |
13.0697 km/s | 12.57km/s | 11.86155Y | 9H55.5M | 9H55.557M | |
タイタン |
5.2811e33 |
0.0 |
1.3450e23 |
5151 km |
5.573 km/s | 0.0 km/s | 15D22H41M | 15D22H41M (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
||
土星 ◉ |
(2.4 : 1)※ |
5.6880e26 |
0.210 | 120536 km |
9.6724 km/s | 10.279 km/s | 29.53216Y | 10H13M59S (赤道) |
10H14M0.456217S | ||
チタニア |
2.9049e31 |
0.0 |
3.5260e21 |
1577.8 km |
3.643 km/s | 0.0 km/s | 8.71D | 8.71D (公転と同期) |
∞ (自転していない) |
||
天王星 ◉ |
(6.6 : 1)※ |
8.6860e25 |
0.225 | 51118 km |
6.8 km/s | 2.59 km/s | 84.25301Y | 17H14M |
17H14M1.447627S | ||
トリトン |
2.8713e32 |
0.0 |
2.1500e22 |
2706.8 km |
4.390 km/s | 0.0 km/s | 5.877D | 5.877D (公転と同期) (逆行軌道) |
∞ (自転していない) |
||
海王星 ◉ |
(5.1 : 1)※ |
1.0240e26 |
0.29 | 49528 km |
5.4778 km/s | 2.6831 km/s | 165.2269Y | 16H6.5M |
16H6M30.64S | ||
カロン |
4.5345e30 |
0.0 |
1.5200e21 |
1212.0 ± 3.0 km |
0.2228 km/s | 0.0 km/s | 6D9H18M | 6D9H18M (公転と同期) (二重惑星) |
∞ (自転していない) |
||
冥王星 |
7.0466e31 |
(896 : 1)※ |
1.3000e22 |
不明 | 2304 ±13km or 2412 ±22 km |
4.7 km/s | 0.0131km/s | 247.74Y | − 6.387230D |
− 6.387681D | |
|
|
(99.87%) |
太陽系の全質量 太陽の質量の割合(質量の太陽集中) |
||||||||
(98.40%) |
太陽の運動量の割合 (全運動量の太陽集中) |
||||||||||
2.9653e39 (0.3%) (1.6%) |
太陽を除く全運動量 |
||||||||||
太陽系の全運動量 |
(表)太陽系の全運動量
※:線運動量が角運動量の1万倍以上
※:線運動量が角運動量の100〜1000倍のレベル
※:巨大惑星(◉)は、真の転がりの場合の「線運動量:角運動量= 5:2」に近い。特に、木星と土星は極めて近い。
★:ガリレオ衛星
公転と見かけの自転が<span style="color:red; font-size:12pt">同期</span>しているものは、実際には自転していないため、角運動量がゼロになる。
角質量係数は、基本的には2/5(均質な剛体球)を用いている。
天文学では、間接的に計算で得られた値(太陽0.059など)が用いられるが、
どっちを用いても、太陽に運動量が集中しているという事実に変わりはない。
全運動エネルギーも木星と太陽がほとんどを占めている。
本当に自転しているのは巨大惑星だけ
この表とグラフから分かるもっとも重要なことは、
全運動量が太陽に集中しているという新真実ですが、もう一つ重要なことがある。
衛星の多くが母星回りの公転周期と自転周期が同期していると言われているが、それは自転周期が無限大(∞)、つまり、<span style="color:red; font-size:12pt">自転していない</span>ことを意味する。
そして、地球を含めたほとんどの惑星も、
実は、ほとんど自転していないに等しいことがこの表を見るとよく分かる。
平均軌道速度Vと「真の自転による地表面の速度」とを比較してみれば、それがはっきり分かる。
本当に自転していると言えるのは巨大惑星だけ、
という事実が明らかになった。
そこから、巨大惑星は転がっているのに近い、という画期的な説につながった。