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[1] 科学的ゴルフ上達法
   定説をくつがえす驚異の「ソニー式ゴルフ」

小田桐 洋一著(講談社, 1976)
真っ直ぐの転がりを数式で示しているおそらく世界で最初の本。
実験内容を基に書いているので、説得力がある。


ただし、以下の2点で理論的な裏付けがないので、疑問が残ったままで、すっきりしなかった。

  1. パッティングの実験データ(転がる距離が初速の2乗ではなく、距離によってその指数が変化すること)の本当のメカニズムは解き明かされていなかった
  2. 転がりの最初に滑っていて、摩擦によってトルクが発生するという考え方を示しているが、それを方程式として求めていない





それから35年後の2011年、私(蜂の子)がすべての疑問を解き明かすことができたことを誇りに思う。

[2] 微分方程式で数学モデルを作ろう

デヴィッド・バージェス/モラグ・ボリー著(日本評論社,1990)
微分方程式を解いてみようと思うきっかけとなった本。
難しくもなく、易しくもない書き方をした好書。

[3] 共立数学公式

共立出版、1953
小さな辞典だが、必要なことがほとんど記載されている。

[4] 数学用語小事典
   The Concise Oxford Dictionary of Mathematics



クリストファー・クラファム著(講談社ブルーバックス, 1996)
あいうえお順になっていて、ちょっと調べるのに便利だが、載っ
ていない項目も結構ある。

[5] C言語による数値計算のレシピ(Numerical Recipes in C)

William H. Pressなど共著(技術評論社, 1993)
解を計算する手法として役に立つ。

[6]トムワトソン驚異の寄せワンゴルフ(Getting Up and Down)

トム・ワトソン著(講談社, 1984)
傾斜の練習方法やスネークの狙い方、15メートルで3メートルとか7メートルも曲がるようなグリーンがあったというように、簡潔ではあるが、具体的に他では書いてないことが書いてあって、非常に興味深い。

[7] 岩波数学公式 微分積分・平面曲線

森口繁一・宇田川久・一松信 著(岩波書店, 1956)
不定積分がたくさん載っている。

[8] パッティングの科学
  PUTT LIKE THE PROS

  Dave Pelz's Scientific Way to Improving Your Stroke,Reading Greens,and Lowering Your Score

デイブ・ペレツ/ニコラス・マストローニ(HarperPerennial, 1989)
これだけ意欲的にパッティングを科学しているのに、一番肝心なこと、つまり、
斜面でどのようにボールが曲がるのかという点に関して科学的なことは一切載っていない

[9]物理入門コース1 力学

戸田盛和著(岩波書店 1982)


剛体球の転がりに関して、他の本と同様の間違いを犯している
それは、P.178〜180(斜面の転がり)と、P.180の「玉突きの問題」です。

[10]ゼロから学ぶ 物理の1、2、3

竹内薫著(講談社 2002)
「ビリヤードの設計」(P.124)というタイトルで、参考文献[9]の「玉突きの問題」と同じ結論を導いている。
解き方はちょっと違う。
私の解き方のほうがより現実に近いことを著者が認めた(2003.6.15)。
湯川薫&竹内薫オフィシャルサイト

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[11]詳解 力学演習

後藤慶一、山本邦夫など共編(共立出版 1971)
以下に誤りがある。
P.264
P.103の設問[14]、{14・1}摩擦のある斜面での質点の軌跡。出典は参考文献[14]と思われる。

[12]力学演習2

イ・ヴォロンコウ、テ・アイゼンベルク、ヴェ・オセッツキー著(東京図書株式会社、1963)(原書はソ連、1961)


質点の斜面での運動(摩擦あり)を解こうと試みている(P.245の例題113)。
方向θを使わずに、オーソドックスにx-y座標を直接解こうとして、
結局は、無意味な近似計算をしている。
私は、2003年に初めてこの本を読んだ。

[13]パリティー物理学コース 力学

松田哲著(丸善)
例題8.5(P.186〜188、かなり詳しい)に、[9]の「玉突きの問題」と同じ結論を導いている。

[14]大学演習 力学

山内恭彦(やまのうち たかひこ)、末岡清市編(裳華房 1957)
P.88の設問[28]…摩擦のある斜面での質点の軌跡。

[15]Science and Golf III, proceedings of the World Scientific Congress of Golf

Human Kinetics社(1999)
これだけ分厚い(700ページ以上)論文集でも正しい式を導き出せないのは意外です。


Mechanical Interaction of the Golf Ball With Putting Greens (Mont Hubbard, LeRoy W.Alaways共著)という論文(P.429〜439)のp.438に転がり摩擦係数を求める間違った式(μ=V02/2gxs)を示し、その式から計算した転がり摩擦係数とグリーンスピード値xsの対応表が記載されている。


この論文は、参考文献として18個、1876年〜1995年というかなり昔の文献も含めて参照しているにもかかわらず、間違った式を示しているということは、転がり摩擦係数を正しく求める式が書かれた文献はないということを意味している

2011.10.11〜11.13

[16]トライボロジー講義資料(2011年用)





検索して見つけた中で唯一信憑性のある説明が、長岡技術科学大学機械系 太田研究室(太田浩之 准教授)の以下の資料です。

特に、倒れることの連続が転がるということ、転がり摩擦の研究は行われてきたがその法則性はまだ確立されていない、という2点が参考になる。


今現在(2012.05.10)、この資料(http://mcweb.nagaokaut.ac.jp/~ohta/2011/lect/lect_top.htm)はアクセスできない。
元々学内用ですからね。
たまたま見れていたのは幸運でした。

2011.10.24

[17] パット・エイミング教本
あなたはもう迷わない!

パットの狙いにはちゃんと法則があった





細貝隆志著(ブイツーソリューション 2009)
意欲的な内容ですね。
2011年10月になるまで初版から約2年、この本のことを全く知らなかった
検索していて偶然見つけました。


(蜂の子)ほとんど同じことを考えていた人がいたということが本当にうれしい。
同時代に同じ発見をするというのはよくあることですが、
それが同じ日本人だったということはまさに「偶然の一致」ですね。
ゴルフ大国のアメリカ人がこのことを解明できなかったのが痛快です


私も1985年頃から出版したいと思い続けてきましたが、先を越されてしまった
出版、本当におめでとうございます。


改めて考えさせられることが多く、刺激になりました
この本を読んだことで、数日で<span style="color:red; font-size:12pt">新発見をすることができた</span>ので、感謝します。


細貝氏はPCの表計算ソフトを使ってオイラー法で数値計算(微小時間毎の座標を計算)をしたそうです。
私が1983年にCASIOのプログラム関数電卓(プリンター内蔵)で計算したのと同じ方法です。
この方法で任意の地点で止めるときの打ち出し方向と強さ(初速)を見つけるのは、
気の遠くなるような時間と根気が必要なので、ここまで解析されたことに感服しました。
表計算ソフトを使うという発想があったんですね。


オイラー法による数値計算には限界があり、効率的で正確な解析をすることには向かない
転がりの最後、止め方に難しさがあるので、誤差なのかどうかを断言できないからです。
そのため、細貝氏の解釈には誤り(シミュレーターの限界誤差という説明)もありますが、
それは仕方がないところです。<span style="color:blue; font-size:12pt">段差の考え方にも根本的な誤り</span>がある。


幸運にも、私は1997年に微分方程式を解くことができたので、
C言語による数値計算のレシピにある探索法という計算手法を用いることで、
任意の地点でボールを止めようとするときの打ち出し方向と強さ(初速)を
正確かつ一瞬で計算できるようになりました。
誤差も不正確さも全くないので、安心して計算結果を信じられます。
オイラー法による計算結果にはほとんど誤差がないこともはっきり分かります。
決して、シミュレーターの限界誤差というものは存在しない
今回の新発見もこの計算手法がなければ数日で見つけることなど到底できなかったでしょう。


微分方程式を絶対に解けない問題の方が多いので、これは非常に幸運なケースです。
正確で効率的な解析が可能だからです。
だからこそ、微分方程式を解けるかどうかは非常に大きな違いがあります。

2012.03.07

[18]Physics for game programmers





Grant Palmer著(Apress 2005)


パッティングのシミュレーション(方程式を含めて)の結構詳しい解説が6ぺージ(p.184-189)書かれてある
普通の物理本より詳しく書いているのが珍しい。
流石は「For professinals by professionals」と言っているだけのことはある。


でも、内容(方程式)が間違っているのは他の物理本と同様です。


世の中に出回っているパッティングのゲーム/シミュレーションはすべてこのレベルと見ていいので、
現実のパッティングの参考にはまったくならない


例のGeoff Mangum氏が

の中で、参考に勧めていたのがこの本。

  • Daish, C.B., The Physics of Ball Games, (London, English Universities Press, Ltd., 1972)

という本も勧めているけど、どっちも「玉突きの問題」の解法と基本的には同じで、間違っている


Paul Hurrion氏のことを批判するのは筋違いですね。
この2つの文献の著者と同様にGeoff氏も計測データを全く解析していない証拠です。


Paul Hurrion氏の2つの計測データと比べてみれば、いかに机上の空論かが分かる。


1972年〜2011年まで、30年以上経っても、間違った科学を信じているということを如実に表わしている典型的な例です。


ゲームのシミュレーションとは言え、こんなに間違った計算をしていたのでは、全く意味がない
学者が間違いに気づいていないので、仕方ないですけどね。


「CHAPTER 7 Sports Simulations(p.167-210)」では、下記の6つの参考文献を参照している。パッティングに関連するのは2つだけで、参考になるものが少なく、限られていることが分かる。しかも、実際には何の参考にもなっていない。

  • 1. S. atkisnon,Brown,J., and McElheny,J., The Physics of Golf, www.homewood.k12.al.us/compsci/projects98/eteam.
  • 2012年現在表示できない
  • 2. P.W.Bearman and Harvey,J.K., "Golfball Aerodynamics," Aeronautical Quarterly,May 1976,pp.112-122.
  • 3. A.Weber,"Green Speed Physics," USGA Green Section Record,March/April 1997, http://turf.lib.msu.edu/1990s/1997/970312.pdf
  • 滑り摩擦係数(coefficient of sliding friction)の典型的な範囲0.4〜0.5を引用しているとなっているが、実際には記載されていない
  • 4. K.Tanner, Probable Golf Instruction,www.probablegolfinstruction.com.
  • 転がり摩擦係数とグリーンスピードの対応表が掲載されているが、この大元は、参考文献[15](p.438)ですが、転がり摩擦係数の計算が間違っている
  • 5. University of Sheffield Sports Engineering Research Group,www.shef.ac.uk/mecheng/sports.
  • 6. G.Sawicki,Hubbard,M.,and Stronge, W.,"How to Hit Home Runs: Optinum Baseball Bat Swing Parameters for Maximum Range Trajectories," American Journal of Physics, Vol.71,No.11,November 2003,pp.1152-1162.

2012.03.12

[19]Dialogue concerning the Stimpmeter



Brian W. Holmes著
THE PHYSICS TEACHER(OCTOBER 1986) Volume 24, Issue 7, p.401–404


Stimpmeterの初速1.83m/sを厳密な計算で求め、簡単な実験で確認している。
Stimpmeterからガラスのテーブルの上に転がすという実に原始的な実験です。
ガラスだから抵抗がほぼないので、時間と距離を測れば速度が計算できるという考えでしょう。
原始的ですが、一番確実な方法ですね。
具体的な実験データは記載されていない


ネット上に有料($30)で公開されている
一橋大学付属図書館からコピーを送ってもらった(有料)。

2012.03.12

[20] The physics of golf



A Raymond Penner著
REPORTS ON PROGRESS IN PHYSICS vol.66 (2003) p.131–171
無料で公開されている
p.155に、Daish氏およびCochran氏・Stobbs氏(1968)が真の転がり(pure rolling)は全体のほぼ20%から始まると述べた、と書かれてある。グリーンスピードなどの詳細は不明。

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2012.05.09〜11.13

[21] 第11章 転がり運動、角運動量およびトルク



豊木博泰教授(1956年〜)
山梨大学工学部・循環システム工学科(2012年から電気電子工学科に再編)・豊木研究室
講義用資料の中の
「2008年後期・2009年後期 基礎物理学(資料のみ)」(2012.07.04リンク切れ : http://cosmos.js.yamanashi.ac.jp/~toyoki/lectures/phys/)の中の
「5. 第11章 転がり運動,角運動量およびトルク」(2008-12-02更新)(2012.07.04リンク切れ: http://cosmos.js.yamanashi.ac.jp/~toyoki/lectures/phys/chap11.html)


剛体球の真の転がりについて、以下のような説明を式で表わしている。
このような説明をしている文献は他に見たことがないが、論理的・科学的であり、納得できる。


瞬間的な<span style="color:red; font-size:12pt">転がりは接地点回りの回転</span>である。接地点回りの回転エネルギー、つまり、全運動エネルギーは、すなわち、中心回りの回転エネルギーと並進の運動エネルギーの和と等価である。」


出典は文献[23]だそうです。

2012.05.11

[22]転がり摩擦について



田嶋直樹 著(福井大学 工学部 物理工学科 准教授)(最終更新日 2004.1.15)
2004.1.15の講義に含まれる:



これは大学の講義資料ですが、
「転がり摩擦」というものが、高校でも大学でもまともに教えられてこなかった理由を教育者の立場で示していることが興味深い


結局、転がり摩擦も含めて、転がりの科学というものが未完成であることが、この資料はよく示している。


そして、<span style="color:red; font-size:12pt">私の昔のサイト</span>が引用されている(現在はこの内容は削除した)。
単なる批判ではなく(間違っていると考えているようではある)、こういう具体的な議論が理解に役に立つ、と言っていることは評価できる。



2012.07.06〜2013.01.28

[23]科学者と技術者のための物理学 a 力学・波動
PHYSICS for Scientists and Engineers THIRD EDITION



Raymond A. Serway, John W. Jewett 著
松村博之(ひろし、1992〜2002 東海大学理学部物理学科教授) 訳
学術図書出版社 (1995〜2011第1版第15刷)
英語版(初版1982〜3版1992)を元にした翻訳。英語版は現在8版になっている。


「第11章 転がり運動,角運動量およびトルク(p.282〜309)」
§11.1 剛体の転がり運動(p.282〜285)
転がりの全運動エネルギー(p.284)を<span style="color:red; font-size:12pt">接触点回りの回転として変形</span>している。
こういう捉え方は、他の文献で見たことがないが、説得力がある


英語版では構成が少し違っていて、
chapter10 Rotation of a Rigid Object About a Fixed Axis
10.9 Rolling Motion of a Rigid Object(p.299〜)
に書かれている。
転がりは回転中心が固定されていると言えなくもないけど…。
この本では、真の転がりを「pure rolling」と呼んでいる。


一方、転がりの全運動量は何一つ語られていない
実に、不可思議です。




原子、分子論において、プランク定数hについて以下のように書いてある(p.299)。

  • 角運動量の基本単位=h/2π= 1.054e-34 kg・m2/s2

ただし、s2は誤記で正しくは、kg・m2/sです。
また、原子物理学では、軌道を回る電子について以下のように書いてある(p.300)。

電子は、軌道角運動量とスピン角運動量との和の角運動量を持つ
軌道角運動量もスピン角運動量も離散的な値を持つ。





p.305には、水素原子のボーアモデルでは、電子の軌道半径が0.529e-10[m]とある。

2012.07.27

[24]太陽系の科学



海部宣男/吉岡一男(放送大学教授) 共著
放送大学教育振興会(2010)


「8.巨大惑星の世界」に、

  • 太陽系全体の角運動量(公転角運動量と自転角運動量の和)は、
  • その98%が惑星の公転角運動量(木星が60%)である、

と書かれている。


参考文献[25]にも同様の記述があり、
これが最新の天文学の知見であることを示している。


しかし、<span style="color:blue; font-size:12pt">「公転の角運動量」というのは全くの間違い(非科学)</span>です。
誤った基礎の上に成り立っていることに誰も気づいていない


そして、角運動量について、

  • 「角運動量とは物体の回転運動の勢いを表わすベクトルの物理量」(p.140)

というステレオタイプな間違った考え方を示している。



2012.08.05〜09.09

[25]惑星系の起源 -Cameronモデル vs. 京都モデル-



小久保英一郎(国立天文台理論研究部教授)
天文月報(2006)

  • 「惑星の持つ軌道角運動量は太陽の自転角運動量の約200倍

という記述がある。
この値は、参考文献[27]28でも同様に示されている。


理科年表のサイトの惑星系形成論 : 最新 “ 太陽系の作り方 ”」(2007)も小久保教授が寄稿したもので、

  • 「惑星の軌道角運動量の大きさは太陽の自転角運動量の約190倍
  • 「太陽系の質量の太陽集中と角運動量の惑星集中」

という記述がある。


これは、参考文献[29]のデータから計算したものだそうです。
データは天文学の常識で、その値自体の検証はしていないようです

2012.08.05

[26]太陽系の誕生 京都(林)モデル



成田憲保(国立天文台 太陽系外惑星探査プロジェクト室)
須藤研セミナー講演での資料(2006.1.25)


Cameronモデルなどの歴史的な背景や違いがわかる。



2012.08.25

[27] Rotation in the Solar System



Philosophical Transactions of the Royal Society Vol. 313, No. 1524(1984)p.5〜18に掲載。
M. M. Woolfson著


p.5に、以下の記述がある。

  • 太陽の質量は太陽系全体の99.87%、スピンは1%(2、3%の可能性も)
  • 木星のスピンは60%



同じ著者が24年後に書いた文献[28]と値が微妙に異なる

2012.08.25

[28] The Formation of the Solar System: Theories Old and New



M. M. Woolfson著
Impress College Press(2007)
p.62に、以下のような記述がある。

  • 太陽の質量は太陽系全体の99.86%、角運動量は0.5%
  • 19世紀半ばには、角運動量による学説が唱えられた。



同じ著者がこの23年前に書いた内容(参考文献[27])と微妙に値が異なる
特に、角運動量の値は、大きく異なる


参考文献[25]200倍(≈99.5/0.5)と一致している。
ただし、同時期の参考文献[24]2%とは大きな開きがある。

2012.09.08〜13

[29]Allen's Astrophysical Quantities



C. W. Allen著
The Athlone Press,Ltd, London(1976)
Springer,New York(2000 第4版)


p.293:
Total angular momentum of planetary system(惑星の全角運動量)

  • 3.148e50 g cm2/s(=3.148e43 kg m2/s)

Total mass of planets(惑星全体の質量)

  • 446.6×5.9742e27 g (=2.668e27 kg )

Total mass of entire planetary system(惑星系全体の質量: 衛星、アステロイドを含む)

  • 2.669e27 g (=2.669e27 kg )



p.340: 太陽
Moment of inertia(太陽の慣性モーメント)

  • IS = 5.7e53 g cm2

Angular rotation velocity at equator(赤道面の角速度)

Angular momentum(based on surface rotation)(太陽の角運動量)

  • ISωS1.63e48 g cm2/s(=1.63e41 kg m2/s)



慣性モーメントをどのように計算したのかと言う式もデータも示されていない
Allen氏が計算したデータではないということだろう。
つまり、先人たちが計算した天文学の常識的なデータと言うことです。




参考文献[25]では、
この値を用いて、惑星の軌道角運動量の大きさは太陽の自転角運動量の約190倍とか200倍、と言っている。
これが、少なくとも30年以上に渡る天文学の常識・知見であることを示している


惑星の全角運動量 3.148e43 [kg m2/s]という値は、
Angular Momentum in the Solar Systemと言うサイトにも概算値(計算式も)が示されている。
概算値3.1e43 [kg m2/s]とほぼ等しいので、
惑星を質点ととらえたときの角運動量mRV(R:公転半径、V:平均軌道速度)の合計に過ぎない
ことがこれではっきりした。


太陽の角運動量(自転)1.63e41 kg m2/sは、
上記サイトのように慣性モーメント係数を2/5(均質)と仮定した場合の1.1e42の10分の1に過ぎない
結局、慣性モーメント係数の違いで、30倍なのか200倍なのかが分かれる。


参考文献[30]に示されている太陽の慣性モーメント係数0.059の方が正しいようだ。
また、赤道面の角速度も正確には、

  • ωS=2.865e-6 rad/s(=真の自転周期 25.38日)

それから計算すると、太陽の角運動量の正しい値は、

となる。


いずれにせよ、もっとも重要なことは、
惑星の公転角運動量(軌道角運動量)という見当違いな値が信じられてきたという明白な事実(証拠)です。
そのため、惑星の角運動量がなぜ大きいのかとい不毛な説明に頭を悩ませてきた
それが、太陽系形成論、惑星系形成論の進歩を妨げてきたのは否めない。



2012.09.13

[30]Fact Sheet



NSSDC(NASA)
Sun Fact Sheet(1998〜)
Planetary Fact Sheet(1997〜)
特に、太陽と惑星、月の慣性モーメント係数(I/MR2)を網羅している。
ただし、海王星と冥王星の慣性モーメント係数の記載がない

  • 太陽の慣性モーメント係数 0.059

どのように計算したかは不明


Planetary Interiors(Joachim Vogt著、Jacobs University Bremen)の中に海王星の慣性モーメント0.29とある。

2012.09.13

[31]地球内部物理学(旧地球惑星状態物理学1)講義ノート



日置幸介(へき こうすけ)著 (北海道大学大学院理学研究院 自然史科学研究部門 教授)
講義ノートと過去問

  • 「天体の慣性モーメントは間接的に求められる。」

と説明され、計算式が示されている


慣性モーメント係数(I/MR2)について、以下のような記載がある。
天体の慣性モーメントをMR2で割ったものが、その天体内部における中心への質量集中度の指標となる。
地球の場合この係数が0.4(=2/5: 均質な剛体球)より有意に小さい。
これは密度の大きい金属でできた中心核が 地球半径の半分を占めていることを反映している。

  • 地球 : およそ0.33
  • 月 : 約0.3932±0.0002

木星の四大衛星(ガリレオ衛星):

  • イオ : 0.378
  • エウロパ : 0.330
  • ガニメデ : 0.3105
  • カリスト : 0.406

2012.10.12

[32]クォーク第2版
   素粒子物理学はどこまで進んできたか



南部陽一郎
講談社(BLUE BACKS)(1998第1刷〜2008第7刷)


電子の半径rについて(p.192〜193)、


古典的な電磁力学でローレンツが提唱したが、これは矛盾していると述べている。

  • r= 10-13[cm]= 10-15[m]程度

場の量子論によれば、つまり、素粒子物理の中の1つ、量子電磁力学(QED)では、

  • r= 10-30[cm]= 10-32[m]程度

でしかないが、これが正しいとも間違っているとを言っていないが、
これが間違っているとすれば、量子電磁力学がナンセンスという結論になってしまうかもしれない、と言っている。

結局、はっきりしないが、

  • 古典的な電子の半径(classical electron radius)2.81794033 10-15[m]

よりは、むしろ、10-32[m]のほうがより正しい、ということのようだ。


17桁も違うなんて、この本の中で書いているように(p.189)、

  • 力学に比べて、素粒子物理は一般的にずっと粗雑である

というのは確かだ。


結局、電子の半径は確定していないということです。

2012.10.24

[33]力学

L.D.ランダウ(1908〜68、1962ノーベル物理学賞)、E.M.リフシッツ(1915〜85)共著(ロシア)
原本(モスクワの出版社、1957〜1973改訂第3版)
東京図書(1974 第1刷〜2011 第39刷)


この本の冒頭、まさに、1ページ目、しかも、最初の段落に、このように書かれてある。

「大きさが無視できる(質点と見なす)かは、

それぞれの問題における具体的な条件によって変わる。

たとえば、惑星は太陽のまわりの公転では質点と考えてよく

自転ではもちろんそのようなことはできない。」



ノーベル物理学賞を受賞したような学者でさえ、
このような間違った考え方に支配されていた


しかも、力学の本の書き出しで、
ここまではっきりと書いているものを今まで見たことがない
物理学者にとって常識的すぎるからだろう。


あえて、この一文から書き出したのは、
質点と言う概念の矛盾を感じていた証拠と言っていいだろう。
矛盾しないことを認めないと、質点の力学が説明できなくなってしまうからです。
そこに自己矛盾がある。


角運動量の惑星集中という間違った学説に誰も疑問を持たないのは、
このような教科書で学んできたからです。
参考文献[24]29も、この物理学の常識(実は非常識)を信じてしまった結果(最悪の結果)です。



1---10---20---33