「詳解 力学演習 後藤慶一、山本邦夫など共編(共立出版 1971)」
不完全な解答
質点の斜面での運動(摩擦あり)を解いている(P.103の[14]、{14・1})。
基本的には正しい(方向θの関数として解く)が、解釈の誤りや説明不足な点があり、不完全な解答になっている。
私は、2003年になるまでここに書いてあることを知らなかった。
出典は、参考文献[14]と思われる。
この解き方が書かれている本として現在確認できているのは、この2冊だけ。
その点では、十分に評価に値する。
わずか1ページちょっとで説明しているのは、ある意味すごいが、
これでどれだけの学生が理解できるかは疑問です。
誤記を30年以上も誰も指摘しなかったという事実がそれを証明している。
32年間の誤記(その2)
P.264の誤記の他に、P.103の設問{14・1}にも誤記。
解で、V02の2乗が抜けている。
これも初版90刷以降で修正することを共立出版が約束した(2003.9.11)。
λ=1の確率はゼロ??
ところが、解釈の誤りについて山本邦夫氏に確認(2003.9.11)したところ、
正確にλ=1である確率はゼロであり(私は確率100%だと思う)、
「確率ゼロの場合」は議論しても意味がないというのが物理学の考え方である、
というおかしな解釈をした。
議論しても意味のないことなら、なぜλ=1のときの説明をしているのでしょうか?
全く、 論理矛盾です。
その解釈が正しければ設問{14・1}は無意味なので、削除するように伝えた(削除するという回答はなかった)。
90刷を注目しよう。
もし削除されなければ、暗に、λ=1は存在する、
つまり、設問[14]も不完全であるということを山本邦夫氏および共立出版も認めたということになるでしょう。