段差の科学

Science of Tier on Putting green

段差(いわゆる2段グリーン)の科学の歴史




段差の狙い方は一体どうすればいいの?



段差を越える時にどのくらい強く打てば上り切るのか、
段差の下に向かってパットした時に段差の下をどのくらい転がるのか、
本当に見当もつかない、というのが普通でしょう。


段差の科学のはじまり
斜面での転がりの統一理論の完成(2011年、日本)





2003年にGeoff氏の論文を読んでから実に8年もかかって、やっと、
段差を正しく、正確に表す「<span style="color:red; font-size:12pt">下りの方程式(公式)</span>」(世界初!!)を導くことができた。


傾斜の強さgが、段差を解き明かす重要なファクターになっています。
傾斜の強さgという概念を導入したことはやはり正しかった。


<span style="color:red; font-size:12pt">上り</span>は普通の傾斜と全く同じで、実に、単純です。
段差は、上りと下りの性質がまったく異なる
そこが、段差の難しさです。


本当の意味での段差の科学の歴史がこのとき始まった。


そして、1983年から28年の長い道のりを経て、<span style="color:red; font-size:12pt">斜面での転がりを表す統一理論がついに完成した</span>




段差の参考文献はほとんどない(2010年)

(2011.11.27)



ゴルフ用の人工芝のSYNLawn社のサイトにPutting over Tiers Game – for putts that traverse a Tier.というページがある(2010年の記事)。


このページには、1つ重要な記述がある。


段差の上り下りのパッティングがすべてのゴルファーにとって桁外れのチャレンジなのは、参考文献がほとんどないからだ」、と。


ほとんどない、という言い方をしていますが、これは、「皆無」ということを暗に言っているのは誰でも分かる。


段差の科学、明確な方程式を示した人は、いまだかつていないという証拠です。
私が求めた方程式世界初であること、
段差をここまで科学的に明確化したのも私が初めてなのは疑いようがない。


どんなに検索してみても、段差のメカニズムを数式化しているサイトは1つも見つけることができない。Geoff氏や細貝氏のように論理的に説明しようとしているサイトや書籍もあるけれども、近似的、概念的な論理で推定しているレベルでしかない。
議論に耐えうる論理的な説明・方程式は、今までどこにもなかった。


細貝氏の発想 (2009年、日本)





2011年に細貝氏の「パット・エイミング教本」を読んで、ここでもGeoff氏と同じ発想で、Stimpmeterを応用して考察していることを知った。


p.22の図7(スティンプメーターとグリーン段差との違い)を見て違和感を覚えたことで、改めて、段差の科学を考え直してみるきっかけになりました。


これだけ意欲的に解析を試みているのに、残念ですが、
明らかに、<span style="color:blue; font-size:12pt">細貝氏の考え方は根本的に間違っている</span>


段差も普通の傾斜も決して、そんなに単純なものではない







PuttingZoneのGeoff氏の発想(2003年以前、USA)





2003年に、Geoff Mangumby氏のPuttingZone(「パッティンググリーンの段差は思っている以上に高い!」)というページを初めて読んだ。
Stimpmeterと比較することによって、段差(tier)のあるグリーンを考察していて、こういう考え方があるということに気づかされました。


私は、この時まで、段差についてはあまり深く考えてこなかったので、少し考えるきっかけになりましたが、完全な理解には至らなかった


Geoff氏の説明が曖昧ではっきりしないので、Geoff氏のこの論文は評価しづらい
典型的な段差(50%勾配、高さ45cm)を取り上げているが、論理的な説明ではなくて、50%勾配以外の段差への応用が利かない。明確さに欠ける。


この論文を読んでから8年後の20011年に、正確な方程式、式(2-30)でこの典型的な段差を評価してみたところ、下図のようになる。


Geoff氏と細貝氏の考え方の共通点と欠点





Stimpmeterで測ったグリーンスピードから、段差での距離感を概算している。
この根本的なアプローチの仕方は正しい


正確な式を導かずに概念的に求めているので、正確な値ではないし、何が正確かということが説明されていない。


そして、段差の斜面での摩擦と勾配(傾斜の強さg)の影響を正しく評価していないことが、両者の考え方に共通した欠点です。


特に、細貝氏は、段差の斜面の摩擦をゼロと見なしていることが最大の間違いです。
単に、位置エネルギーだけで決まるという論理は、摩擦がゼロであれば成り立ちますが、現実の世界ではそうは行かない。


あくまでも概算ということで言えば、そういう考え方も悪くはない。


でも、それが本当に近似として妥当かどうか本当に理解するには、正確な考え方を導入する必要がある


通常の傾斜での曲がり方や転がり方を考える時には、摩擦をちゃんと考えに入れているのに、段差のときには、摩擦を考えに入れないというのは、明らかに、アンバランスと言わざるを得ない。

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