Stimpmeterとグリーンスピードを利用する正確な方法
段差を自然に下ったあとの平面を転がる距離(2011年、日本)(世界初!!)
段差の斜面では決して止まらないので、
実際のパッティングのときに本当に知りたいのは、下ったあとの平面でどれだけ転がるかです。
段差の一番上から自然に動き出して行ったとき、
段差の下を転がる距離(単位はm)は以下の式で計算できる。
ついに、2011年にこの公式を世界で初めて明らかにすることができた。
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} 段差&の下を転がる距離: \\ &\frac{g-1}{g}\cdot G_{s}\cdot\frac{V_{n}^{\hspace{3pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\cdot\frac{H}{h}\\ =&(G_{s}-\frac{G_{s}}{g})\cdot\frac{\frac{10}{7}g_{r}\cdot h}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\cdot\frac{H}{h}\\ =&(G_{s}\frac{\frac{10}{7}g_{r}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}} -\frac{100}{P})\cdot H…{\normalsize(2-30)}\\ &H: 段差の高低差(m)\\ &h: Stimpmeterの高さ(0.2606m)\\ &P: パーセント勾配 \end{align} } $ } } \]
- g : 任意の傾斜角のときの傾斜の強さ…式(2-28)
- GS: Stimp値(グリーンスピード)[m]
- $g_{r}$: 重力加速度(9.8m/s2)
- $V_{S}$ : 1.83[m/s] … Stimpmeterを離れる時のボールの初速
- $V_{n}$ : 1.91[m/s] … Stimpmeterとの摩擦がない場合の初速
典型的なグリーンスピード7.5ftで3mくらい転がる
具体的な距離を見てみよう。
段差の高低差が45cmの例で考えてみる。
段差はGeoff氏の論文によれば、25〜35deg(47〜70%勾配)が大半で、45deg(100%勾配)がきつい段差だそうです。
47〜70%勾配のケースでは、
グリーンスピード4ftのような低速グリーンでさえ1.34m〜1.65m転がり、
典型的なグリーンスピード7.5ftなら3.34m〜3.66m、
グリーンスピード14ftなら7.07m〜7.39mも転がる、
ということが明確に示される。
今まで、こんなことを誰も正確に答えることができなかったので、
全く見当もつかないまま、パットをしていた。
これからは、はっきりとした目標を立てることができる。
安心してパッティングできるでしょう。
段差の下りも実は意外に単純
上のグラフを見て分かるもっとも重大な事実は、
段差のような傾斜角になると、傾斜角が少し変わっても、転がる距離があまり変わらないと言うことです。
逆に、勾配20〜30%の方が勾配の影響を大きく受ける。
真実が分かってみると、段差の下りと言うのは、思っていたほどのことはない。
具体的に比べてみるとより分かりやすい。
Stimpmeterと同じ勾配(36.40%)を基準にして、勾配を10%増やした時と、10%減らした時を比べてみる。すると、下図のように、10%増やした方が転がる距離の変化が明らかに少ない。