それは必然!! 科学的な証明(2011年、日本)
Geoff氏の論文によると、段差の勾配は47%〜70%が大半だそうです(最大100%前後)。
なぜでしょうか?
私も、この論文を初めて読んだ2003年当時は、そんなものなのかな、くらいの理解でした。
Geoff氏が言うように、思った以上に高低差があるものだ、という程度の印象でした。
下りの距離が一番安定し、かつ、上りがきつすぎない
2011年に、正確な下りの方程式を求めることができたことで、段差の下を転がる距離をグラフにしてみて、その理由が完全に理解できた。
このグラフは、段差の高さ0.45mの例ですが、高さが変わっても同じ傾向にある。
基本的に言えば、このグラフの線が水平に近い部分の方が、扱いやすい。
勾配約40%前後より傾斜が弱くなると、勾配の変化によって、段差の下を転がる距離が大きく変化するので扱いにくい。芝のカットによってグリーンスピードを変化させた場合は、逆に、転がる距離の変化が少ない。
斜面の長さが適度に短く、しかも、段差の下をある程度転がるという一番適当な勾配がこの範囲(47%〜70%)だと言えます。グリーンスピードを速くした時も、それに比例して距離が伸びて行くので扱いやすい。
それ以上傾けても、段差の下を転がる距離が大きく変わらないので戦略的なおもしろみもないし、上りのときにはきつすぎる。
結局、「この範囲(40%〜70%勾配)に収まるのは必然」、と言うことが科学的に証明できた。
長年、経験的に試行錯誤をして、段差をデザインしてきた結果として、この範囲に収まったのは、至極当然のことです。
典型的な段差の勾配が50%という理由
典型的な段差の勾配が50%だと言うのもうなずける。
一般的に典型的と言うと、範囲の平均(中点)ということが多いのに、段差の場合は、47%〜70%という範囲の中で、一番低い方に近い。これは、おそらく、あまり傾けすぎたくないという心理もあるだろうし、切りの良い数字ということもあるだろう。
だから、現実には、勾配20%とか30%という中途半端な段差はないと思って間違いない。
段差を見たら、勾配50%かどうかをまず目測してみるのが一番賢いと言えます。
そういう意味でも、まずは、典型的な段差(50%勾配、高さ45cm)がどの程度のものかを理解しておくことが、一番効果的と言えるでしょう。
段差の最小勾配は約35%
SYNLawn社のPutting over Tiers Game – for putts that traverse a Tier.というページに、
段差の高さ1ftに対して幅(底辺なのか斜面かは不明)は最低でも3ft必要というデータが書いてある。これは、約35%の勾配に相当する。
この程度の勾配でも、上のグラフを見ると、ギリギリのラインですね。
これは、おおよそ、Stimpmeterと同じ角度なのは、偶然の一致でしょうか?