転がりとは接地点回りの回転
 − 転がりの統一理論 −
Unified Theory of Roll

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「前のめり転がり」と「真の転がり」の共通原理(2012年、日本)(世界初!!)


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2018.09.19(水)第7版(ver7)発行( 改版履歴 )







2012.05.16





がりとは、接地点回りで回転し続けることである。
転がり摩擦は接地点回りの回転に作用することで、ボールは減速する。
接地点回りの回転を生むことができるのは、接地点に作用する力では決してない滑り摩擦モデルは完全に敗北し、
フライホイールモデル(前のめり転がり)が勝利した。
転がりの統一理論がついに完成した。








「真の転がり」も実は、接地点回りの回転





全運動エネルギー」から、
「真の転がり」とは、確かに、接地点回りの回転であることが分かった。


エネルギーと同様に、
運動量のことも理解しているようで理解していなかった

転がりとは倒れることの連続、すなわち、接地点回りの回転





前のめり転がりの「フライホイールモデル」も接地点回りの回転です。
結局、前のめり転がりも真の転がりも、接地点回りの回転で説明できる。


転がりの全てが「接地点回りの回転」という1つの基本原理として体系づけられたことを意味する。


回転は回転、並進は並進と別々のものと考えがちですが、接地点回りの回転という1つの共通原理に集約される。


この意義は大きい。


「転がりとは倒れることの連続」(参考文献16)という基本原理は、言い換えれば、転がりとは接地点回りの回転」ということです。


これで全てがつながった



2012.05.17〜18

逆は真ならず − 中心回りでは回転していない





空中を回転しながら直進している場合、
エネルギー的に見て仮想の接地点を中心にした回転と一致するからと言って、接地点回りで回転していると考える人はいない


逆は真ならず


それと同様に、
転がりとは接地点回りで回転することであり、
エネルギー的に見て(距離の計算をする時も)中心回りの回転をしている直進運動と一致するからと言って、それは本当に中心回りで回転していると言うことではない


ここは分かっているようで、実は、みんな思い違いをしている


ある運動を分解して考えると言うことは、便宜上のことだと言うことをすっかり忘れている


滑り摩擦のトルクによって中心回りの回転が生まれると考えることは、
真空中を回転しながら直進している、と考えるようなものです。


あるいは、ピッチングマシンのように、中心回りの回転を加えたボールを突然芝の上に置いた瞬間のようなもの、と言えば分かりやすい。
置いた瞬間に置く前と変わらず中心回りの回転を続けると考えるなら、接地していることが全く影響していないことになってしまう。


たとえ中心回りの回転を加えることができたとしても、
接地点回りの回転にはならない


ピッチングマシンはボールを両側から挟むからこそ、中心回りの回転を加えることができるのであって、芝の上のボールのように1点で支えられた状態で中心回りの回転を加えることはできない


確かに、エネルギー的に同じであっても、
現実にはあり得ない状態であり、それは空想に過ぎない


中心回りの回転を加えることもできないし、中心回りでは回転しない。


だから、滑り摩擦は存在しない



滑り摩擦の矛盾





滑り摩擦が回転を加速しながら(回転エネルギーがゼロの状態から増加)、一方では、全体のエネルギーを失わせる、という相反する現象が起きるだろうか?


転がり摩擦は、回転エネルギーと並進の運動エネルギーを同時に失わせるそれは2:5という比率で転がり摩擦力を使い分けているからです。


転がり摩擦の意味を考えてみることで、滑り摩擦モデルの荒唐無稽さがはっきり理解できる。


滑り摩擦が、もし回転エネルギーと並進の運動エネルギーを同時に増加させると言うのなら、理解できるだろう


ところが、滑り摩擦モデルでは、
回転エネルギーが増加すると同時に、
並進の運動エネルギーを失う、と言い張る。


そんな都合のいいメカニズムが本当にあると思っているのだろうか?


転がり摩擦も滑り摩擦も、摩擦の一種であることに違いはない。
摩擦が作用した結果が、このような真逆の結果を生むことは論理的に説明できない。


滑ることで、失った並進運動エネルギーの何%が回転エネルギーに転換するのでしょう?
それとも、滑り摩擦によるトルクで新たに回転エネルギーが生み出され、その分も合わせて並進の運動エネルギーを失うと言うのだろうか?


滑り摩擦モデルでは、滑り摩擦力の半分ずつが作用しているのでもなく、同じ力が同時に別々の仕事をしていると考えている。こんなことがあるはずがない

滑り摩擦モデルは一貫性がない





滑っているように見える間は滑り摩擦が中心回りの回転を生み(滑り摩擦モデル)真の転がりになると接地点回りで回転する、という考え方は不自然です。


接地点に作用する滑り摩擦によって接地点回りの回転は生まれない


真の転がりになった途端に、接地点回りで回転が始まると言うのだろうか?


転がりのメカニズムとして連続性がないし、明らかに矛盾している。


滑り摩擦モデルには一貫性がない


接地しているからこそ接地点回りで回転する(転がる)のであって、
接地点回りで回転しないで、いきなり中心回りで回転することはできない


滑り摩擦モデルは、自然の摂理に反している



フライホイールモデルは一貫性がある





一方、前のめり転がり(フライホイールモデル)は「接地点回りの回転」であり、真の転がりも含めて、転がりの全てが「接地点回りの回転」と言う共通の原理で説明できる。




フライホイールモデルには一貫性がある
美しさがあり、理にかなっている。

摩擦(曲面抵抗)の役割は2つある





静止摩擦も転がり摩擦も大きさは同じで、曲面抵抗という1つのものです。
そして、前のめり転がりのときと真の転がりのときには、役割が異なるだけです。


前のめり転がりでは、曲面抵抗があるからこそ、つまずく(前のめりになる)。
つまずくから慣性の法則が働き、接地点回りの回転が生み出されて、エネルギーを失うこともない。失った並進の運動エネルギーは、全て、回転エネルギーに転換される。


一方、真の転がりでは、つまずかなくなる(平衡状態になる)ので、曲面抵抗はまさしく抵抗(転がり摩擦)として作用してエネルギーを失う


ここに矛盾はない。


転がり摩擦でさえ十分に理解されていない





真の転がりのとき、従来の考え方では
接地点に作用する転がり摩擦によって角速度が減るのは理解できても、
並進速度がどのように減速するのかと言うことがなかなかイメージできないものです。


直進運動と(中心回りの)回転運動は別々のものという固定観念が強すぎるからです。私も高校生の時からずっとその点が引っかかっていた。


その原因は、高校や大学で
転がり摩擦のことをほとんど教えてこなかったからです。 参考文献[22]


転がり摩擦は、ボールベアリングなどの工学的な領域、
トライボロジー(参考文献[16])でしか論じられていない。


工学的な目的とパッティングの転がりとは同じようでいて、全く異なる
ボールベアリングには転がる距離という目的(視点)がないからです。
ボールベアリングは両側から挟まれているので、平面上の転がりとは全く異なる


転がり摩擦は「接地点回りの回転」に作用する(2012年、日本)(世界初!!)





でも、転がりが接地点回りの回転であるということが分かってみると、
すんなりと理解できる

  • 転がり摩擦は接地点回りの回転に作用する



転がり摩擦が接地点回りの回転を弱めることが、すなわち、
(中心回りの)角速度と並進速度を同時に落とすことになる。


接地点回りの回転エネルギーが中心回りの回転エネルギーと並進の運動エネルギーの和と等価からです。


転がり摩擦が直接、(中心回りの)角速度を落としているのではない
直接、並進速度を落としているのでもない


転がり摩擦は、ただ1つの「接地点回りの回転」に作用しているだけです。
2つのものに同時に作用することなど最初からできない


接地点に作用する力が回転に作用するというのはもっともなことです。
接地点に作用する力が並進に作用すると教えられた時のような違和感はない。


全く、理にかなっている。

先生自身理解していない

2012.05.31



従来の説明では、
転がり摩擦が回転と並進にどのように作用するのかが曖昧で、
完全に納得できるものではなかった


高校の先生や大学の教授自身、分かっているようで、本当の意味を理解していなかったのですから、生徒が納得できなかったのは致し方なかったと言えます。


一言、「転がり摩擦は接地点回りの回転に作用する」、と説明してくれていたら、何の疑問もなく、素直に理解できていたでしょう。


でも、そういう明快な説明を聞いたことがないし、
物理や力学の教科書に書いてあるものを見たことがない
というのは紛れもない事実です。


唯一の例外は、参考文献[21]です。
直接的に説明している訳ではないが、
私がこのことに気づくきっかけを作ってくれたことに感謝したい。




真の転がりの間も、接地点回りで回転し続ける





このように考えれば、何の疑問もなく、素直に理解できる。
これからは、高校の物理の先生もそういう風に説明しましょう


この点でも、「転がりとは接地点回りの回転」という基本原理の正しさを示している


そう考えれば、確かに、真の転がりの間も、接地点回りで回転し続けている、と考えるべきです。


滑り摩擦モデルの荒唐無稽さ





このことから、逆に、滑り摩擦モデルの荒唐無稽さが分かる。


滑り摩擦が角速度と並進速度という2つの対象に対して別々に作用するなどということは100%あり得ない。


しかも、正反対の作用を加えることなどできるはずもない。



この対決は、Skid Modelの反則負けで決着した。


Skid Model(滑り摩擦モデル)は何百年もの間、不戦勝を続けてきたが、
Flywheel Model(はずみ車モデル)の登場で、連続防衛記録も抹消され、
物理学から永久追放


存在しない滑り摩擦、幻影を信じていたので追放するべき実体すらない。


さようなら、滑り摩擦モデル!!

転がりの統一理論の完成





前のめり転がりから真の転がりにスムースにつながるのは、接地点回りの回転という唯一の(共通の)基本原理が働いているからです。


ゴルフボールをパットした瞬間からボールが止まるまでの間
ボールは接地点回りの回転をし続ける。


こうして、転がりの基本原理は1つの理論体系としてついに完成された。



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