転がりの運動量

Momentum of Roll

運動量のことも理解しているようで理解していない(2012年、日本)




Real Science of Golf






角運動量 と同様に、
転がりの運動量もまた理解しているようで 理解していない


実は、運動量の 定義自体が間違っていた からです。









運動量はm・rV(2012年、日本)(世界初!!)





転がりの全運動量」の式から
転がりの運動量が実は、半径rをかけた量

  • m・rV

であるということが明らかになった(運動量の再定義)。

運動量とはmVであると言う思い込み





こういう見方をすることは今まで誰も考えなかった


運動量(Momentum)はmVで表わされるというのは全く基本的な常識で、
角運動量だけに半径rが含まれる(Icω= IcV/r)のは当然だと考えるのが従来の発想です。


だから、誰もそれに疑問を持っていない。


2012.05.19〜08.31

素朴な疑問





でも、昔から疑問だったのは、
並進の運動エネルギーと回転エネルギーは加算できるのに、
なぜ、運動量mVと角運動量Ic・ωを加算できないのか、ということです。


加算できないと言うより、
レベルが違いすぎるため、
加算した値が何を意味するのかが理解できない
加算してみると、そのおかしさがよく分かる


運動量mVと角運動量Icω= 2/5 m・rVとを比べると、
半径rが一方にしかないことに違和感を覚えた。


角運動量にだけ半径rがあるので、
ゴルフボールの半径r=0.02135[m]という小さい値によって、
角運動量の方が運動量に比べると限りなくゼロに近い値になる。


全運動量の変化は、角運動量が存在しないに等しく
運動量のみのような振る舞いをする。


本当に、角運動量はこんなに小さい値なのだろうか?


逆に、半径rが大きくなると、
たとえば、太陽系惑星の例で言えば、角運動量(自転)に比べて、
<span style="color:blue; font-size:12pt">惑星の運動量mVのほうが無に等しい</span>状態になってしまう。
惑星では、角運動量が支配しているかのように振る舞う。


半径の大小によって、
このように効果がまったく異なるのはやはりおかしい

  • 運動量の次元は、M LT−1
  • 角運動量の次元はM L2T−1

角運動量も運動量の一種なのに、なぜ次元が違うのだろう?
次元が一致しないことがそもそも間違っているのではないだろうか?


m・rVの方が汎用的・本質的





定番の「衝突問題」では、
摩擦がないと仮定しているし、
回転していない状態で衝突するとして、
問題を単純化している。
そのため、運動量をmVと表わしていたし、それで問題はなかった


ただし、m・rVとして運動方程式を解いても何ら影響を受けない
そう言う意味では、半径rを掛けることの方が汎用的であり本質的と言える。


回転していないという条件下では、結果的に半径rが消去されるため、
半径rが入るという本来の姿に気づかなかった



転がりの科学は軽視されてきた





転がりのときの運動量(Momentum)と角運動量(Angular momentum)の関係を明確に示している文献を見たことがない


角運動量の意味でさえ明確化されていないという現状がある。


それは、転がりというものを軽視し、
本当の意味を理解しようとしてこなかったことを如実に物語っている。

エネルギーと運動量の関係性の矛盾





従来の考え方には、エネルギーと運動量の関係性に大きな矛盾がある。


従来の発想では、ボールの半径が変わると、
エネルギーの比(回転エネルギーと並進の運動エネルギー)が2:5を保ち続ける一方で、運動量の比(角運動量と運動量)が半径によって大きく左右されることになってしまう。


それは逆におかしい。


運動量とエネルギーは明らかに密接に関連している。
にもかかわらず、運動量だけが半径rの影響を大きく受けると言うのは、
論理的に矛盾している。



運動量がm・rVであるのは理にかなっている





転がりのときの運動量がm・rVだと分かってみると、
その方が実に理にかなっていることが分かる。


ボールがたとえば半分の大きさになれば、
運動量も角運動量も同じく半分ずつになるので、
その方が受け入れやすい。


そして、回転エネルギーと並進の運動エネルギーの比が2:5であるのと同様に、角運動量と運動量の比も2:5となる。


結局、慣性モーメントIcがこの比を決めている。
非常にシンプルであり、矛盾がない。