運動量の本当の意味(2012年、日本)
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- 運動量とは破壊力あるいは貫通力
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「運動量とは勢いのようなもの」
と言う曖昧な(間違った)説明がされている。
しかし、運動量が再定義されたことで、本当の意味が明確になる。
運動量とは破壊力、あるいは貫通力(透過力)である。
この正しい解釈によって、全てを矛盾なく説明できる。
運動量とは何か?
What is Momentum?
この問いに対して、世界中の人が分かりやすい答を知りたがっているのに、
<span style="color:blue; font-size:12pt">300年以上もの間</span>、見つけられずにいる。
日本では、「運動量とは勢いのようなもの」と言われている。
速度が速いほど勢いがあると言うのは分かる。
でも、重いほど勢いがある、軽いと勢いがない、というのはピンと来ない。
角運動量は回転の勢いと言う人もいるが、そうではないと言う人もいる。
この説明で納得している(させられている)人も多いと思うが、
「勢い」という曖昧な言葉に完全に騙されている。
運動量とは慣性であり、それは止まりにくさを表わしているとされている。
「勢い」は、「止まりにくさ」と意味が被っている。
勢いと言うのは速度と言う意味が強すぎる。
勢いがあるから止まりにくい。
速度が速いほど止まりにくい。
それは、すべて、言葉の言い換えに過ぎない。
問いの答えになっていない。
「運動量とは勢いのようなもの」という言い方は、
原因の言い換えに過ぎないし、しかも、不完全なので、
それでは何も理解できない。
運動量が大きいとどうなるのか?
勢いがあるから、どうなるのか?
速度が速ければ速いほどどうなるのか?
止まりにくいとどうなるのか?
その結果が知りたい。
それが、「運動量とは何か?」という質問の答えとして求めていることです。
原因と結果、その2つによって運動量の意味を完全に理解できる。
運動量とは破壊力あるいは貫通力(2012年、日本)(世界初!!)
Momentum is Destructive Force or Penetration
では、運動量とは分かりやすく言うと何でしょう?
私もそれを考えていてなかなかいい表現を思いつかなかったが、
やっと良い表現に気づいた。
確かに、
- 重いものほど破壊力(貫通力)がある。
- 速度が速いほど破壊力(貫通力)がある。
- そして、大きいものほど破壊力がある。
- あるいは、小さいものほど貫通力がある。
エネルギーが大きいからと言って破壊力や貫通力があるとは言えない。
そこが、エネルギーと運動量の決定的な違いです。
- 重いだけでは破壊力(貫通力)はない。
- 速いだけでも破壊力(貫通力)はない。
- 大きいだけでも破壊力はない。
- 小さいだけでも貫通力はない。
だから、線運動量は、m+r+Vという足し算ではなく、
m・rVという掛け算なのです。
線運動量は速度という方向を持っているが、
半径rというのは速度の方向ではなく、それと直角な方向、つまり、
断面方向の長さということです。
つまり、速度というベクトルに半径rを単純に掛けているだけです。
ベクトル積とか内積とかそんな高等なものではない。
線運動量の方向はあくまでも速度の方向だからです。
運動量(線運動量)とは勢いのようなもの、というような曖昧な説明しかできなかったこと自体が、運動量の意味を正しく理解していなかった証拠と言っていい。
半径rが大きいほど勢いがある、とは言えない。
このように論理的に考えれば、
線運動量がmVではなく、<span style="color:red; font-size:12pt">m・rV</span>であるのは実にもっともらしいし、
線運動量とは破壊力(貫通力)そのものであることは確かです。
そして、角運動量とは回転の破壊力(貫通力)、ということもまた言える。
学者よりも大山倍達の方がよほど科学的
大山倍達の著書「正拳一撃」には以下のようなことが書かれてあるそうです。
- 「空手における破壊力とは、体重プラス握力プラス速さ」
まさしく、これは線運動量m・rVに相当する考え方です。
m、r、Vの順番と一致していることも含めて、的を射ている。
ただし、プラスではなく、本当は、掛けるというのが正しいが、
「プラス」の方が計算しやすいし、分かりやすい。
「握力なんて関係ない」、などと訳知り顔で言うのはまさに非科学的です。
正拳は指で突くよりも破壊力がある。
そのためには、その破壊力を支えるだけの握力が必要になる。
正拳の形を保つことが破壊力につながる、ということです。
指先よりも大きな正拳だからです。
大山倍達が超人的な実戦から得た境地でしょう。
さすが、ゴッドハンド!!
破壊力とは、重さ×速度×(広くて浅い)(2012年、日本)(世界初!!)
貫通力とは、重さ×速度×(狭くて深い)
運動量とは破壊力(貫通力)、と言われても、
破壊力と貫通力とは何かがはっきりしないのでは意味がないので、より正確に定義すると、
- 「破壊力とは重さ×速度×(広くて浅い)」
パンチ力もまったく同じです。
広さを強く意識したものが破壊力です。それに対して、貫通力は、
- 「貫通力とは重さ×速度×(狭くて深い)」
深さを強く意識している。
貫通力の典型例は、放射線の透過力です。
そして、この2つは、結局、物理学的には全く同じこと、
つまり線運動量m・rVを意味している。
(例1)弾丸
弾丸は体を貫通するくらいエネルギーは高いが、
被弾した人間は吹き飛ぶこともないし、
急所を外れれば、致命傷にはならない。
弾丸は人間に比べて小さいからです。
破壊力と言う意味では小さい。
たとえば、弾丸を薄く引き伸ばして、人間と同じ大きさにしたとしよう。
普通の弾丸と同じ速度で人間に命中したとすれば、
人間は吹き飛ばされて、即死するでしょう。
つまり、大きいものほど破壊力がある。
銃の威力は明確な定義はなく、いろいろな理屈があるようですが、
最も真実に近いのは<span style="color:red; font-size:12pt">TKOF</span>(Taylor Knock out Factor)です。
(例2)丸太
丸太で城門を突き破るとき、丸太が太いほど破壊力が大きい。
太いほど重いので、この例では、区別がつきにくいが、
丸太と全く同じ重さで、針のような細い棒があったとすれば、小さい穴が開くだけで、城門を破壊することはできないことは容易に想像がつく。
つまり、破壊力は小さくなるが、逆に、貫通力は大きくなる。
(例3)原爆
原爆のエネルギーは膨大ですが、
もしも、弾丸と同じように、狭い範囲で直進したとすれば、
体を貫通するだけで、致命傷にはならないでしょう。
爆風や高温の熱が広がるからこそ致命傷になる、
放射線の影響が無いと仮定すれば。
大きさも破壊力に不可欠な重要な要素と言っていい。
(例4) ガンマナイフ
ガンマナイフもそうです。
癌細胞だけに焦点を結ぶように照射する。
ガンマ線のエネルギーは高いのは確かだが、
範囲が狭いので、人が死ぬことはない。
(例5)パンチ力、空手の破壊力
ヘビー級ボクサーの方がパンチ力がある。
腕の重さがメインだが、
それを支える体全体の重さ(体重)も影響しているだろう。
空手では、指での突きよりも、正拳の方が破壊力がある。
拳(こぶし)の方が大きいからです。
破壊力やパンチ力、銃の威力を説明できる物理量は存在しなかった
これも科学者の怠慢の1つです。
線運動量をmVだと思い込んでいたのがその最大の原因です。
銃(弾丸、弾薬)の威力というのは実用上から関心が強い。
昔から(と言ってもそれほど古くはない)、銃の威力を科学的に評価しようといろいろと試みられてきたが(TKOFなど)、明確な答は得られていない。
銃の威力、破壊力やパンチ力も、
今までの科学では説明がつかなかったけれども、確かに存在する。
不思議なことに、今まで、何百年もの間、
この違いを説明できる物理量が存在しないまま、
そのことに科学者は何の疑問も持っていなかった。
エネルギーも全く同じ、線運動量mVも同じであっても、
なぜ違いがあるのでしょう?
はてさて、科学はこんな簡単なことも説明できないのでしょうか?
正確に表わす物理量を科学者でさえ知らなかったからです。
説明できないから、知らないふりをしていた、と言えるかもしれない。
破壊力とかパンチ力という学問的でない俗な言葉の定義に興味を示さないのが、学者という人種でしょう。
破壊力などという言い方はあくまでも文学的、感覚的な比喩であって、物理的な意味はないと、安易に考えていたのかもしれない。
工学的、学問的な意味がなかったということも大きいでしょう。
「破壊力学」と言うものがあることを今回初めて知ったが、
これは、亀裂のような構造的な破壊の力学なので、いわゆる破壊力とは関係がない。
学者が明確にしないので、
一般人の方が、破壊力やパンチ力とは何かと言うことに関心が強いようです。
大山倍達やTaylorのように、一般人の方が科学者らしい。
破壊力やパンチ力とは撃力だとか、線運動量mVだとか言う人もいる。
それ以外の知識がなかったので、そういう見方しかできなかったのは仕方がないところです。
運動量の2面性: 破壊力と貫通力(2012年、日本)
Momentum has Destructive force-Penetration duality
破壊力の面積が狭いケースが、貫通力です。
同じエネルギーであっても、狭い範囲にエネルギーが集中するため、破壊の範囲は限定され、比較的弱い力であっても、貫通する。
エネルギーの強さと運動量が作用する面積のバランスによって、貫通するか破壊するかが別れるだけです。表現の違いと見てもいい。
貫通される物体(上の例で言えば城門など)の強度が弱ければ、エネルギーが弱くても、運動量が小さくても貫通する。
要は、すべてのバランスによって見え方が違うだけです。
結局、どちらも線運動量m・rVのことを日常的な言葉に言い換えたに過ぎない。
貫通力と破壊力は一面的には反比例の関係にあるが、似ているとも言える。
広くてもものすごい速度であれば貫通もしつつ破壊もするからです。
広い、狭いと言うのは相対的なものです。
運動量とは破壊力あるいは貫通力である。
運動量には二面性がある。
線運動量m・rVは、半径rの大小から見れば、
- 半径rが大きいと破壊力が強くなり、
- 半径rが小さくなると、逆に、貫通力が強くなる。
たとえば、放射線の透過力のことを考えてみれば、この関係が納得できるはずです。
線運動量がmVであるという不完全な定義、それに加えて、
線運動量が何か1つのことを表わすと思い込んでしまったことが
300年を越える混乱の元凶だったということです。
それにしても、本当に遠回りをしたものです。
幾多の学者や天才たちがこんな簡単なことに気づかなかったのが不思議です。
思い込みというのは大抵そういうものでしょう。
線運動量m・rVの意味とその証明(2012年、日本)(世界初!!)
(太さだけ違う丸太、角材の運動量)
物理数学的な厳密な計算およびその原理的な意味は証明できたので、
それで十分ですが、
線運動量m・rV、そしてその半径rの意味が少し理解しづらい。
この意味を最も理解しやすいのが太さの違う丸太の例です。
長さはたとえば20mで同じとし、重さも同じと仮定する。
太さだけが違うということです。
最も分かりやすいのが、異なる幅を持つ角材(断面が直方体)の例です。
結論から言えば、
- 線運動量m・rVが半径rに比例するのは正しい。
- つまり、線運動量は幅(太さ)にも直径(長さ)にも依存しない。
- 運動量とは、破壊力あるいは貫通力である。
- つまり、破壊力と貫通力は、物理学的に同じことを表わしている。
それでは、詳しく説明してみよう。
丸太(角材)の横面を一様な物体に速度Vでぶつけることを考える。
- 回転させずにぶつける場合
- 半径10mで回転させながらぶつける場合(重心回りの回転)
- 半径20mで回転させながらぶつける場合(空想の回転)
この3つが考えられる。
回転半径が同じであれば、丸太の太さ(角材の幅)が違っても、
慣性モーメントは一致する。
確かに、回転していない場合は、
破壊力は、丸太の長さ(20m)に比例しそうな気もする。
ところが、回転した場合を考えてみると、半径rだと分かる。
このことは、ボールが転がっている時の全運動量から求めた線運動量がm・rV、つまり、半径rに比例すると言うことと同じです。
ボールが回転していない場合だけを見れば、
運動量(破壊力)は直径に比例していると考えたくなるけれども、そうではない。
結局、これはどのように回転するかで決まる。
以下のような2つの空想の回転運動を考えてみよう。
どちらも回転軸方向に直進する。
- (1)空想の回転運動1
- もし、半径20m、つまり丸太(角材)の長さを半径として回転するのであれば、回転も含めた破壊力がさらに大きくなることは容易に想像がつくし、その場合には、運動量は丸太の長さ(回転の半径)に比例すると言えるだろう。
- (2)空想の回転運動2
- ボールが回転せずに直進する時に、
- もし運動量がボールの直径に比例するのであれば、それはどのような運動でしょう? それは、ボールの表面のある一点を中心にしてボールの直径と同じ長さを半径とする回転をしながら、直進したときの運動量に相当する。
- これは転がりではないが、確かに回転運動ではある。
この2つの例のような運動は、
自然には生まれないし、人工的に作ることも不可能です。
全くの空想の運動です。
普通は、重心回りの回転になる。
このように考えれば理解できるはずです。
だからこそ、線運動量は重心回りで回転した場合の半径rに比例する。
回転していなくても、
直進方向を軸にして回転した場合の半径rに比例するということです。
線運動量m・rVの意味をさらに考えてみよう。
先ずは、並進だけでぶつけてみる。
太い丸太(角材の幅の広い面)が、たとえば、20cmだけのめり込んだとすると、
細い丸太(角材の幅の狭い面)は、たとえば、50cmのめり込む。
- 広く浅く作用するのか(それを一般的に破壊力と言う)
- 狭く深く作用するのか(それを一般的に貫通力と言う)
という違いに過ぎない。
日常用語の破壊力と貫通力というのは、結局、
物理学的に言えば同じことを言っている。
広くて浅い、狭くて深いということを半径rという1つの値が表わしている。
半径rが無限小、つまり、質点は究極の貫通力があると言えるし、
半径rが無限大になれば、極限の破壊力を持つ。
質点同士の衝突であれば、それは貫通力ではなく、破壊力となる。
お互いの大きさのバランスによって、破壊力と言うのか、貫通力と表現するかが決まる。
運動量とは、より厳密に言えば、破壊力あるいは貫通力である。
- 「運動量とは破壊力である」
- 「運動量とは貫通力である」
どちらの言い方も正しい。
1つの言葉で言い表わせるような適当な言葉がないので、
貫通力を破壊力の一種と見て、
- 「運動量とは破壊力である」
と簡潔に表現するのが分かりやすくていいでしょう。
このように、線運動量m・rVは、丸太の太さや角材の幅(面積)には依存しない。
以下の図のように、角材の例が一番分かりやすい。
角材を重心回りで回転してみれば、角材の幅は無意味になることが分かる。
同じ重さなので、
回転することで均一化してして区別ができなくなるからです。
慣性モーメントが一致しているので、角運動量も当然等価になる。
同じ角材の広い面と狭い面のどちらを向けても、
それを回転させつつ、速度Vでぶつけた時に、
その破壊力は完全に一致する。
つまり、破壊(貫通)の広さも深さも同じと言うことです。
実際の弾丸も回転をしている。
それはジャイロ効果で弾道を安定化させることが第一の理由だが、
回転によって破壊力が増すという効果もある。
コークスクリューパンチのダメージが本当に強いのか疑問に思ったりするが、角運動量の分だけ破壊力が強くなると考えれば、ダメージが強いのは間違いないだろう。
そもそも、球体は、回転していても、していなくても、形状が変化しない。
太さや幅と言う概念や次元は存在しない。
半径rという長さでしか区別がつかない。
このように考えれば、線運動量がm・rVと表わされること、つまり、
- 直径ではなく、重心回りの回転の半径rに比例する
- 太さや幅(つまり面積)にも関係しない
ということが納得できるでしょう。
衝撃波とは運動量そのもの (2012年、日本)(世界初!!)
Shock Wave is Momentum.
「衝撃波の科学」(2005〜2007、国際衝撃波学会 会長 高山和喜 著)というコラムに書かれてある以下の言葉に共感できる。
- 『教科書に書かれていない、しかも、分からない事実の方が多いと思うようになりました。頭の良い人は、教科書にはすべてが書かれていることを信じます。』
このコラムを読むと、衝撃波とは何かという根本的な理解がいまだに確立されていないことが分かる。
衝撃波とは一言で言って何か?
専門家でさえ説明できていない。
線運動量とはm・rVである、という真実が分かった今、
- 「衝撃波とは運動量そのものである」
と断言できる。
衝撃波とは、物体の線運動量m・rVが空気の線運動量に変換したものです。
物体に押された空気は物体よりも速く動く。空気の方が軽いからです。
そして半径も広がる。
もし衝撃波が一点に集中していれば、
やはり、貫通力はあるが破壊力はないだろう。
たとえば、超音速の飛行機による衝撃波も、
飛行機自体に面積(断面積)があるからこそ発生する。
大噴火のときなどに発生する空振も衝撃波です。
衝撃波は時にガラスを割るほどの破壊力がある。
それは、大きさ(広がり)があるからです。
広範囲に伝播するからこそ衝撃波は破壊力があるのです。
衝撃波でガラスが割れたのかどうか誰も証明はできないけれども、
爆風でガラスが割れるくらいですから、衝撃波で割れないはずはない。
火薬の爆発でも衝撃波が発生しているとも言われているからです。
このように考えれば、
衝撃波とは運動量という物理量の一形態であると言える。
何も難しく考える必要はない。
「衝撃波の科学」には以下のような説明がある。
- 「衝撃波はエネルギーが蓄積して瞬間的に解放されるとき現れる。」
これは、「前のめり転がり」のときと似ている。
フライホイール効果でエネルギーが蓄積し、それが角運動量として解放される。
衝撃波も、実は、蓄積したエネルギーを運動量として解放している。
蓄積と解放が短時間に交互に発生することで、波動となる。
波であることに本質的な意味はないと言うことです。
ブラックホールの破壊力は小さい(2012年、日本)(世界初!!)
A Destructive Force of a Black Hole is Less
「ブラックホールを表わす物理量は質量、角運動量、電荷の3つしかない」
と言われている。
つまり、線運動量(Linear Momentum)はゼロと見なしている。
理論計算をするために条件を単純化しているということかもしれない。
宇宙の膨張で動いているけど、相対的には動いてないと言うことだろうか?
銀河の中心にブラックホールがあると言われている。
銀河同士が衝突することもあるくらいだから、ブラックホールも動いているはずです。
ブラックホールから噴き出るジェットによって、運動量が発生しそうなものだが、ブラックホールが動くと言う話をあまり聞かない。
ただし、移動するブラックホールもあるらしい。
では、なぜ、ブラックホールの線運動量はゼロなのか(ゼロに近いのか)?
線運動量がmVだとすると、
地球に比べればブラックホールは無限の線運動量を持っていてもおかしくない。
無限のエネルギーというのはあり得るが、
無限の運動量と言うのはあり得ないだろう。
そこがエネルギーと運動量の大きな違いです。
つまり、線運動量がmVということでは説明がつかない。
一方、線運動量がm・rVであると言う真実から考えてみよう。
大きさが量子レベルのブラックホールもあるとも言われている。
質量が大きくなればなるほど、ブラックホールは押しつぶされて小さくなる。
質量mが無限に大きくなる反面で、半径rは限りなく小さくなって行く。
つまり、m・rは大雑把に言えば一定している。
だから、ブラックホールが無限に重くなったからと言って
線運動量が無限に大きくなることはない。
ブラックホールが無限と言っていいほどの質量(エネルギー)を持つのに、
線運動量は無限と言えない程度のレベルと言うことです。
だから、移動するブラックホールが存在するとしても、
無限の速度で移動することはない、と考えていいでしょう。
重いから動きにくいのではない。
真空中なので、重さは関係ないからです。
だから、ブラックホールの線運動量はゼロと見なしても問題ない、と言っていいような気もするし、そうではないような気もする。
角運動量は、角慣性(慣性モーメント)がm・r2に比例するので、線運動量と同様に、
無限とは言えない程度のレベルに収まる。
ブラックホールが巨大になったからと言って、角運動量が際限もなく増える訳ではない。
少し、本題から外れて、
巨大ブラックホールのスピン(単位質量当たりの角運動量)は予想よりもかなり小さいことが、JAXAの加藤成晃研究員を中心とする研究グループが考案した間接的な測定方法によって、2010年に世界で初めて明らかになったそうです(巨大ブラックホールの失われたスピン : 論文名「天の川銀河中心の超大質量ブラックホールのスピン測定」)。しかし、その理由は明確になっていない。
ブラックホールが巨大になればなるほど、角運動量が増える訳ではないので、巨大ブラックホールのスピンが予想よりもかなり小さかったのは、当然のような気がする。
そもそも、角運動量がゼロのブラックホールモデルもあるくらいなので、ブラックホールの大きさ(質量)と角運動量には相関関係はないはずです。
予想(計算)することなどできないはずです。
ブラックホールの角運動量は、ブラックホールの生成時の偶然に依存しているように思える。
そして、たとえ、ブラックホール同士が衝突したとしても、
線運動量m・rVが小さいので、破壊力も小さい。
だから、衝突によって大爆発が起きることもなく、意外に静かにブラックホール同士の合体が起きて、大質量ブラックホールになる。
線運動量m・rVという視点からブラックホールを見ると、こんなことが言えるでしょう。
高等な理論は理解できないけれど、こういう単純な見方もそれほど大きな間違いではないように思える。
この例から言っても、線運動量がm・rVであることはもっともらしいし、
運動量とは破壊力のようなものと言うこともまた正しい。
放射線の透過力とは運動量(2012年、日本)(世界初!!)
Radiation Penetration is Momentum
放射線の透過力という言い方を科学者もしている。
しかし、破壊力や貫通力と同様に、明確な定義ではない。
放射線の種類と透過力(どんな物質でさえぎることができるか)は、
以下のようにアバウトに示されている。
- α線(紙) < β線(薄い金属板)
- < γ線、X線(厚い金属板) < 中性子線(水、コンクリート)
厚さだけとも言えないし、材質だけとも言えない。
にもかかわらず、透過力は科学的な用語として誰も疑っていない。
これも原子力神話の1つかもしれないですね。
透過力という言葉の曖昧さは、破壊力や貫通力と大差がない。
運動量がm・rVであると言う真実から、
- 「放射線の透過力とは線運動量m・rVである」
と明確に定義できる。
貫通力も透過力も、英語では同じPenetrationであるのは、示唆的です。
日本語の貫通力と透過力も、よく考えてみれば、表現の違いでしかない。
γ線、X線は電磁波で、それ以外は粒子線です。
電磁波では波長が半径rに相当すると考えてもいいし、
波も粒子と言う二面性があるので、粒子の半径と考えてもいい。
透過力とは、線運動量m・rVという物理量そのものであると言える。
線運動量がmVであるという従来の間違った定義では、
放射線の透過力が運動量であるとは言えない。だから、
どんな物質で遮蔽できるかという間接的で曖昧な説明しかできなかった。
透過した放射線量を測定すれば、それが透過力であると言えそうだが、
これも間接的定義です。
そもそも何が透過力を決めているのかという根本原理が明確になっていない。
波長が短いから透過するという説明で納得している面はあるが、
波長だけが単独で透過力を決めているという説明は、統一感がない。
波長(粒子の大きさ)、重さ、速度、
それらがどのように関連しているのかということがはっきりしない。
つまり、透過力を1つの物理量として定義できていないことが、
従来の科学の不完全さだった。
破壊力や貫通力、パンチ力を非科学的な言葉だと見なすのであれば、透過力という言い方も非科学的と言わざるを得ない。
重粒子線は透過力よりも破壊力を利用する。
これも運動量の一面です。
ガンマ線などの電磁波は体外から照射すると、体の表面近くで線量が最大となり、それ以降は深さとともに次第に減少する。
一方、粒子線は終端近くでエネルギーを急激に放出して止まる(ブラッグ・ピークと呼ばれる)。
この違いは、科学的に厳密な比較とは言いがたいので、粒子線の方が体表面に対して影響が少ない(破壊力が弱い)とは言えないだろう。
どちらかと言えば、重粒子線治療は、
重い粒子(相対的に)が急激に止まると言うことに意味がある。
重くて大きな粒子だからこそ急激に止まる。
だからこそ、破壊力が終端ほど強くなる。
ゆっくりと停止すれば破壊力が弱いというのは容易に想像がつく。
電磁波は基本的に重さがないので、急激に止まると言うことがない。
その影響は、電磁波の減衰とともに弱くなる。
このように、放射線には、
運動量の貫通力(透過力)を利用する場合と、
破壊力を利用する場合がある。
さらに、慣性という点から見ても、妥当です。
放射線は透過力は確かに強いが、
比較的止まりやすいのは、線慣性がm・rで表わされるからです。
量子の重さが軽いだけでなく、半径rが小さいからです。
慣性が相乗的に小さくなるので止まりやすい。
こうして、放射線の透過力が運動量と言う1つの物理量であることが明確になった。
「Taylorのノックアウト・ファクター(TKOF)」の再評価
Reevaluation of "Taylor KO Factor"(2012年、日本)(世界初!!)
銃の威力を物理量(方程式)で表わそうという試みが昔からなされてきたが、明確な定義は確立されていない。
ハンターのJohn Pondoro Taylor(1904〜1969)が示した式は、
正しい物理量である線運動量m・rVに肉薄していたことが分かる。
やはり、大山倍達と同様に、実践者の経験則は科学者に勝る。
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} 猟銃の&弾薬の威力を評価する方程式\\ Taylor&Knock\hspace{3pt}Out\hspace{3pt}Factor(TKOF, KO)\hspace{3pt}(1948年、アイルランド)\\ TKOF&=\frac{1}{3500}mV\cdot\color{blue}{口径}\\ 3500:&m(grams)、V(m/s)、口径(mm)の場合の換算係数\\ なので、&本質的な意味はない。\\ 単位が&\color{blue}{バラバラなのは非科学的}だが、実用的なのだろう。\\ 口径、&つまり\color{blue}{直径}であることは、正確に言えば、間違いだが、\\ 結局は、&相対的な比較が目的なので、実用上は問題ない。\\ \end{align} } $ } } \]
それにしても、弾薬の口径が威力の指標になるというのは、
極めて常識的な考え方だが、1948年という極く最近だったと言うのが、
実に意外です。
弾丸の威力を評価する方程式はこれ以外にもある(口径でなく先端部の面積)が、真実(線運動量m・rV)に最も近いのは、このノックアウト・ファクター(ノックアウト・バリュー)です。
しかし、線運動量をmVであるとする間違った常識があったため、
このノックアウトバリューは、
- 「<span style="color:blue; font-size:12pt">物理学的な意味や科学的な根拠がない</span>」
- (The TKOF has no physical meaning or scientific basis)
と現在(2012年)でも考えられている。
しかし、線運動量がm・rVであると言う真実が明らかになった今、
Taylorのノックアウト・ファクターの長い不遇時代は終わりを告げた。
TKOFが再評価される日が来たことを、Taylor氏も天国で喜んでいるでしょう。
逆に言えば、60年以上も昔に、大きな獲物(線運動量mVが間違っていること)を知らず知らずのうちに追い詰めていた。
さすが、African big game hunter!!
科学者よりも、一人のハンターの方がよほど科学者らしい。
科学者がこのTKOFの科学的な意味をもっと真剣に考えるべきだった。
運動量の科学的な進歩が60年以上も停滞したことを真摯に反省するべきでしょう。
弾丸の威力とは、弾丸が回転しているので、正確に言えば、
線運動量と角運動量を加えた全運動量です。
角速度は、発射エネルギーの一部が銃身内部のらせん構造(ライフリング、施条)によって生み出されたものなので、大雑把に言えば、全運動量も、結局は、m・rVに比例した量です。
ほとんどの猟銃(散弾銃)にはらせん構造がないので、
相対的な指標としてのTKOFは、破壊力と貫通力を示す運動量そのものを表わしていると言っていい。