計測データを正確に解析できる方程式を世界で初めて解明(2011〜12年、日本)
転がる距離を求める方程式(2011〜12年、日本)(世界初!!)
距離を速度と同様に方向性を持たせる(ベクトルと見なす)ことで、
以下のように、方程式を1つにまとめることができた。
正確に言えば、前のめり転がりの長さは「はずみ車モデル」を用いるべきだが、それほど大きな違いはないので、とりあえず単純なモデルとしての近似計算を示しておく。
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} \\\\ \space\\ &転がる距離[ft]\\ =&前のめり転がり+ 真の転がり\\ =&\frac{1}{0.3048}\frac{V_{0}+V_{1}}{2}t\pm G_{s}\frac{\left\{{V_{1}}\right\}^{\hspace{1pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\\ =&\frac{1}{0.3048}V_{0}\frac{1+(1+\gamma_{0}) \sqrt[]{\frac{5}{7}}}{2}t\pm G_{s}\frac{\left\{{V_{+0}}\right\}^{\hspace{1pt}2}\frac{5}{7}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\\ =&\left\{{\frac{V_{0}}{0.3048}\sqrt[]{\frac{5}{7}}}\right\}\frac{2}{7}\frac{1+(1+\gamma_{0}) \sqrt[]{\frac{5}{7}}}{1+\sqrt[]{\frac{5}{7}}}\pm G_{s}\left\{{\frac{V_{0}}{V_{S}}}\right\}^{2} \frac{5}{7}\left\{{1+\gamma_{0}}\right\}^{2}\\ =&\left\{{\frac{V_{0}}{0.3048}\sqrt[]{\frac{5}{7}}}\right\}\frac{2}{7}\frac{1+(1+\gamma_{0}) \sqrt[]{\frac{5}{7}}}{1+\sqrt[]{\frac{5}{7}}}+ G_{s}\left\{{\frac{V_{0}}{V_{S}}}\right\}^{2} \frac{5}{7}(1+\gamma_{0})\left|{1+\gamma_{0}}\right|\\\\ &ただし、t=\frac{4}{7}\frac{\sqrt[]{\frac{5}{7}}}{(1+\sqrt[]{\frac{5}{7}})}=0.261737\\ &V_{0}:並進の初速[m/s]\\ &V_{1}=V_{+0}\sqrt[]{\frac{5}{7}}:前のめり転がりの終端速度、つまり、真の転がりの初速\\ &V_{+0}=(V_{0}+\gamma_{0}V_{0})=V_{0}(1+\gamma_{0}):全運動量、すなわち速度\\ &V_{s}:Stimpmeterの初速(1.83m/s)\\ &G_{s}:グリーンスピード[ft]\\ &t:「前のめり転がり」の時間[s]\\ &\gamma_{0}:加えた回転を並進速度換算する係数\\ & \gamma_{0}\geq0: 正回転\\ & \gamma_{0}\leq0: バックスピン\\ & \gamma_{0}=-1:「真の転がり」はゼロだが、「前のめり転がり」はある。\\ & \gamma_{0}=\gamma_{T}=\left\{{\sqrt[]{\frac{7}{5}}}\right\}-1\approx+0.1832:「真の転がり」に相当する回転\\ & 真の転がりに相当する正回転を加えても、すぐには真の転がりにはならない。\\ \space\\ \end{align} } $ } } \]
転がる距離を計算するウィジェット
初速、グリーンスピード、そして加えた回転(γ値)、
この3つのパラメーターから、実際にパットしたボールが転がる距離を計算するためのウィジェットです。
γ値を計算するウィジェット
初速、グリーンスピード、実際に転がった距離、
この3つのパラメーターから、どのような回転を加えたのか、
正回転を加えたのか、バックスピンなのかを含めて、回転の強さを計算するためのウィジェットです。
ビー玉のバックスピン遊びからアイアンショットの強烈なバックスピンまで
これは、回転を加えないケース(γ0=0)やバックスピンも含めた
汎用的な式です。
この式を用いれば、
子供のころ、ビー玉でバックスピンをかける遊びをした現象を説明することができる。
また、アイアンショットでの強烈なバックスピンを解き明かすこともできる。
パッティングの場合には、
わずかにバックスピンがかかる場合はありますが、
基本的には、正回転だけを考えればいい。
加えた回転によって、
「前のめり転がり」は少し長くなり、
「真の転がり」の距離は大きく伸びる。
「前のめり転がり」の長さの係数の意味
「前のめり転がり」の長さは、単純だろうと予想していましたが、
思った以上にシンプルです。
係数2/7の意味は、慣性モーメントの比Ic/Ipです。
接地点回りで回転するので、転がりにくくなることを示している。
つまり、前のめり転がりの長さというのは、
加えた回転も含めた全体の運動量の内、
<span style="color:red; font-size:12pt">角速度に転換するのが√(5/7)倍</span>で、
ボールの中心回りの回転ではなく接地点回りで回転する回りにくいさが2/7倍、ということを意味する。
「回転速度に転換し終わるまでの距離」なので、実にもっともらしい。
計測データの検証
計測データ(その1)の検証
計測データ(その2)の検証
この方程式が十分な精度で計算できることが証明された。
教科書の「玉突きの問題」の方程式を用いて計算したときの誤差があまりにも大きすぎるのに比べれば、雲泥の差です。
グリーンスピード、初速、転がった距離、
この3つのパラメータだけで、加えた回転量も「前のめり転がり」の長さも簡単に計算できる。
また、加える回転を決めれば、実際に転がる距離を正確に計算できる。
計測データを正しく評価できることの意義は大きい。
一定の条件での比較
たとえ、できるだけ正確に計測しようとしても、
全く同じ条件にすることは不可能です。
そのため、複数の計測データを比較することは難しい。
2つの計測データもその点では、単純には比較できない。
正確な方程式が求められたので、一定の条件で比較することが可能になった。
その意義は大きい。
そこで、一定の条件で比較してみましょう。
また、異なるデータを比較する簡単な方法もある。
まとめ
このように、ボール自身が持っているエネルギーの一部が角運動量に徐々に転換するという問題を今まで見たことがないので、理解しづらいかもしれない。
私自身、今回(2011年)、解き明かす時に、どうやって解いたらいいのか、最初、全く見当もつかなかった。
そして、具体的な計測データがあることが、正しい方向に導き、勇気づけてくれたことは間違いない。
転がりの原理を論理的に積み上げることで、当然の帰結として、この結論が導き出すことができたことは幸運だった。