転がりの基本原理のロゼッタストーン

The Rosetta stone
on the Fundamentals of Roll

HOME > Golf > 転がりの科学 > 転がりの科学(基本編) > (ステップ1) まずは、平面 > 転がりの基本原理 > ロゼッタストーン(2011.12.07〜2012.05.05)

「転がり基本原理」のロゼッタストーンの発見・大転換点(2011.12/3、日本)







 

 
 
以下の2つのデータは、
「転がりの基本原理」のロゼッタストーンです。
このデータを解釈できたものが正しい科学です。
 
そして、従来の考え方、教科書の定番の「玉突きの問題」の解法では、
このデータを解釈できない
 

2つの計測データ(ロゼッタストーン)には真実が隠されている

 
 
単純に、この2つのデータを比較して気づくことは、
プロのパットの方が、グリーンスピードが1ftしか違わないにもかかわらず、初速が80%近いのに、転がる距離は、ほとんど同じということです。
 
プロのパットは転がりがいいと言えそうです。
 
ところが、下記の単純計算の結果も見ると、プロの方が距離がかなり短いのが不思議な感じがする。
 
そして、初速がこれだけ違うのに、真の転がりになるまでの距離がほとんど変わらないのも不思議です。
 
こんなに違いがあるのは、データが間違っているのかと疑問に思いたくなるはずです。
 
しかし、ここに真実が隠されている
 
この2つの計測データは、示唆に富む、貴重なデータです。
ロゼッタストーンのように、この2つのデータの意味を正しく解釈することで、新たなステージに入ることができた
 
ロゼッタストーンが発見された1799年と同様に、
2011年(2011.12/3)は「転がりの基本原理」の大転換点として記録されるでしょう。
 
彫られた文字の意味を理解しようとしなければ、ロゼッタストーンもただの石に過ぎないのと同様に、理論的な裏付けがなければ計測したデータもただの数字に過ぎない。
 
それでは、ここから、正しい解釈を明らかにしていきましょう。


実際のパットの計測データ(2010年〜2011年、英国)

以下に示す2つの計測データ
The Ball Roll Putting Analysis Software Demo Version 2.4(21日間無料)入っていないため、
データの詳細(速度、角速度の時間変化)を検証できない。


そのため、このデモ版に含まれているデータを別に示す。→計測データ(その3)



計測データ(その1): わずかにバックスピンがかかっているケース





Dr Paul Hurrion氏が書いた記事、「The Science of Roll(2010年8月)以下のようなデータが記載されている。

フラットなグリーン

ボールの初速V0= 9.15ft/s(2.79m/s)

転がった距離: 約20ft

Stimpmeter値(グリーンスピード)Gs= 11ft

真の転がり: 20in(1.667ft)の位置から(それまでは滑りながら転がっている)




実際に転がった距離(約20ft)というのは、最初のエネルギーの一部がエネルギーロスなく回転エネルギーに転換した場合(18.3ft)と、最初から回転していると仮定した場合(25.6ft)の間にある


\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} G_{s}&\frac{V_{0}^{\hspace{3pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\frac{5}{7}\sim G_{s}\frac{V_{0}^{\hspace{3pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\\ &\approx18.3\sim25.6ft\\ &V_{0}:初速(2.79m/s)(回転なし)\\ &V_{s}:Stimpmeterの初速(1.83m/s)\\ \end{align} } $ } } \]


後の解析で分かるように、
これは、わずかにバックスピンがかかったケースです。
と言っても、本当に逆回転しているわけではないので、観察していても(見た目上は)、気づかない。


計測データ(その2): 最初に回転を与えたケース





In search of the Perfect Putt(2011年6月)」という記事には以下のデータが記載されている。
これはヨーロッパツアーのプロがパットしたものです。

ボールの初速V0=5.08mph(7.4508ft/s, 2.271m/s)
転がった距離: 約19ft

Stimpmeter値(グリーンスピード)Gs= 12ft

真の転がり: 19in(1.583ft)の位置から(それまでは滑りながら転がっている)

打ち出し角度: 1.29deg(パターのロフト角などの結果)
最初の回転速度: 42.23rpm(4.4223rad/s)
最初の12inch(1ft)で227degだけ回転し、510rpm(53.41rad/s)に達する。




\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} G_{s}&\frac{V_{0}^{\hspace{3pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\frac{5}{7}\sim G_{s}\frac{V_{0}^{\hspace{3pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}\\ &\approx13.2\sim18.5ft\\ &V_{0}:初速(2.271m/s)(回転なし)\\ &V_{s}:Stimpmeterの初速(1.83m/s)\\ \end{align} } $ } } \]


実際に転がった距離(約19ft)は、最初から「真の転がり」だったと仮定した場合(18.5ft)より長いこれはおかしい気がする


後の解析で分かるように、これは、回転を加えたケースです。
つまり、プロのパットはスムースな転がりという意味がここにある。


この記事の中に書いてあるGel Golf社製の「GEL PAUL HURRION SEDO II PUTTER」というパターフェースに溝があるパターを使用しているのかは不明ですが、使用している可能性は高い。

|