加える回転の影響を同じ条件下で正確に比較(2012年、日本)(世界初!!)
正確な方程式が求められたので、
転がりの良いボールとそうでないボールの違いを比べてみよう。
パッティングだけでなく、強烈なバックスピンなどもいっしょに比較してみる。
このような客観的な比較は、いまだかつて、誰も示したことがなかった。
これが、世界で初めてです。
転がる距離 (全体) |
真の転がり の長さ |
前のめり転がり の長さ |
初速 ・ Green Speed |
加えた回転量γ0 | |
強烈な正回転 |
74.4503ft | 71.2672ft | 3.18314ft |
・ 11ft |
+1 |
基準のパットの倍の距離 |
40ft | 37.3686ft | 2.63139ft | ||
真の転がりに相当する 回転を加えたパット |
27.3099ft | 24.9435ft | 2.36638ft | +0.183216 |
|
転がりの良いパット (プロのパット) |
25.3668ft | 22.8921ft | 2.47465ft | (正回転) |
|
「最初から真の転がり」と同じ距離だけ転がる |
24.9435ft | 22.6332ft | 2.31025ft |
||
最初から真の転がり |
24.9435ft | 24.9435ft | 0ft | ±0 |
|
基準のパット | 20ft | 17.8168ft | 2.18316ft | ±0 | |
転がりが悪いパット (バックスピン) |
15.2919ft | 13.3767ft | 2.04542ft | −0.137744 |
|
γ0=−1でも 前のめり転がりはある |
1.18319ft | 0ft | 1.18319ft | −1 |
|
前進して後退して 元の位置に戻る |
0ft | -0.952039ft | 0.952034ft | ||
基準のパット と同じ距離だけ後退 |
-20ft | -20.1207ft | 0.120523ft | ||
前のめり転がりがゼロ (いきなり後退) |
-24.9437ft | -24.9437ft | 0ft | ||
強烈な正回転 と同じ距離だけ後退 |
-74.45ft | -73.6007ft | -0.849244ft | −3.03248 |
(表) 一定の条件(初速とグリーンスピード)で加えた回転の影響を正確に比較
基準のパット
計測データ(その1)の条件を変えて、
- 回転を全く加えない(γ0= 0)
- グリーンスピード: 11ft
- 転がる距離: 20ft (「約20ft」ではなく正確に20ft)
この条件で計算すると、
- 初速: 2.75571m/s
- 「前のめり転がり」の距離: 2.18316ft
この一定の条件で、
加える回転(正回転、バックスピン)の大きさを変化させて、
転がる距離にどのくらい影響するかを比べてみたのが、上記のグラフと表です。
加えた回転は「真の転がり」の長さに影響する
プロと同じ回転(γ0= +0.137744)、
絶対値が同じバックスピン(γ0= −0.137744)、
これを比較することで、その影響を知ることができる。
回転を全く加えていない基準のパットに比べて、
- プロのパットは、約5.4ft転がりが良い。
- バックスピンは、約4.7ft短くなる。
正回転の方が影響が少し大きくなる。
前のめり転がりの長さは、
- プロのパットは、約0.3ft(9cm)長くなる。
- バックスピンは、約0.14ft(4cm)短くなる。
加えた回転の影響は、
ほとんど「真の転がり」に対するもの、ということが明らかになった。
「転がりのいいボール」と言うのが具体的にどのくらい伸びているのかということさえ、今まで、誰も明らかにしてこなかった。
単に、見た目と感覚だけで、
いつもより伸びていると感じていただけです。
それが、初めて、科学的に明らかになった。
正確に計測したデータも、
このような科学的な裏付けがあって初めて、正しく評価することができる。
最初から「真の転がり」の方が転がらない
最初から「真の転がり」(実際にはこういう打ち方は不可能)の場合は、
回転のエネルギーの分だけエネルギーが多く与えられている。
そのため、回転を加えない「基準のパット」に比べればもちろん距離は伸びる。
ところが、「真の転がり」に相当する回転を加えたパットの方が
それより2ft以上も距離が伸びる。
ちょうど「前のめり転がり」の分だけ伸びる。
プロのパット
プロのパットは「真の転がり」に相当する回転にかなり近いことが、科学的にも明確になった。
回転を加えなかった時の20ftから見て、2割以上も伸びている。
ここまで回転を加えることが可能ということを明確に示している。
少しでも回転を加えることが大切
実際のパットでは、最初から「真の転がり」となるように打つことは物理学的に不可能ですが、逆に、転がる距離は、「前のめり転がり」の分だけ伸びるので、それはメリットと言っていい。
そして、少しでも回転を加えることが「真の転がり」の長さを大きく伸ばす。
その相乗効果によって、転がる距離が伸びる。
それが、転がりのいいパットの真の姿です。
プロのパットに近づくように練習をすることが大切です。