V×|V|、片方だけ絶対値を取って掛け合わせれば、ベクトル量になる(2012年、日本)
速度はベクトル、距離はスカラー量 (従来の考え方)
一般的に、
速度、運動量は方向性があるからベクトルであり、
速度を2乗したエネルギー、長さ(距離)は無次元のスカラー量と言われている。
2乗すれば正の値になるため、そういう考え方になるのでしょう。
「真の転がり」の転がる距離は初速(並進速度)の2乗に比例する。
これは、与えたエネルギーに比例していると言うことです。
バックスピンを加えた時の転がる距離には方向性が必要
ところが、バックスピンを加えたボールの転がりの場合、
この考え方では、転がる距離を求める方程式を汎用化できない。
距離にも方向性が必要になるからです。
ビー玉遊びを思い出してみれば分かる。バックスピンをかけると、
いったん前進した後で、戻ってくることがある。
つまり、
前進する時は進む距離は正の値で、
戻ってくる時には、距離は負の値になる。
距離に方向性がないという従来の考え方では、
このケースの距離を計算できない。
バックスピンが弱ければ、前進したままで戻ることはない。
場合分けすればいいけれども、バックスピンだけでも複数のケースがあるので、それをすべて場合分けするのは美しくない。
バックスピン量を変えたり、あるいは、正回転を加えた時も含めて、
あらゆるケースで転がる距離を計算するには、距離にも方向性がなければならない。
つまり、距離がスカラー量という従来の考え方は間違いで、
距離もベクトルというのが正しい見方です。
速度の絶対値と速度とを掛け合わせれば、距離もベクトル
速度Vが正のときは、
単純に2乗しても正の値なので、当然、
速度の方向(正方向)に進むことを表わしているので、問題ない。
ところが、速度Vが負のときは、
2乗すると正の値になって、負の方向に進むことを表わすことができない。
これは単純に2乗することが間違っている。
正しくは、
- V×|V|
とすればいい。
つまり、片方だけ絶対値を取ってから掛け合わせばいいのです。
これで、速度の方向性を保ったままで、距離に方向性を持たせることができる。
つまり、距離は、無次元のスカラー量ではなく、
方向性を持ったベクトルとして表わすことができる。
全く単純なことです。
なぜ、今までそういう考え方をしてこなかったのか、まったく不思議です。