HOME > Golf > 転がりの科学 > 転がりの科学(基本編) > (ステップ1) まずは、平面 > 転がりの基本原理 > 基本概念 > 速度の2乗はスカラーではなくベクトル(2012.02.01〜)

V×|V|、片方だけ絶対値を取って掛け合わせれば、ベクトル量になる(2012年、日本)













速度はベクトル、距離はスカラー量 (従来の考え方)





一般的に、
速度、運動量は方向性があるからベクトルであり、
速度を2乗したエネルギー、長さ(距離)は無次元のスカラー量と言われている。


2乗すれば正の値になるため、そういう考え方になるのでしょう。


「真の転がり」の転がる距離は初速(並進速度)の2乗に比例する。
これは、与えたエネルギーに比例していると言うことです。


バックスピンを加えた時の転がる距離には方向性が必要





ところが、バックスピンを加えたボールの転がりの場合、
この考え方では、転がる距離を求める方程式を汎用化できない。


距離にも方向性が必要になるからです。


ビー玉遊びを思い出してみれば分かる。バックスピンをかけると、
いったん前進した後で、戻ってくることがある。


つまり、
前進する時は進む距離は正の値で、
戻ってくる時には、距離は負の値になる。


距離に方向性がないという従来の考え方では、
このケースの距離を計算できない


バックスピンが弱ければ、前進したままで戻ることはない。


場合分けすればいいけれども、バックスピンだけでも複数のケースがあるので、それをすべて場合分けするのは美しくない


バックスピン量を変えたり、あるいは、正回転を加えた時も含めて、
あらゆるケースで転がる距離を計算するには、距離にも方向性がなければならない。


つまり、距離がスカラー量という従来の考え方は間違いで、
距離もベクトルというのが正しい見方です。

速度の絶対値と速度とを掛け合わせれば、距離もベクトル





速度Vが正のときは、
単純に2乗しても正の値なので、当然、
速度の方向(正方向)に進むことを表わしているので、問題ない。


ところが、速度Vが負のときは、
2乗すると正の値になって、負の方向に進むことを表わすことができない


これは単純に2乗することが間違っている


正しくは、

  • V×|V|

とすればいい。
つまり、片方だけ絶対値を取ってから掛け合わせばいいのです。
これで、速度の方向性を保ったままで、距離に方向性を持たせることができる


つまり、距離は、無次元のスカラー量ではなく、
方向性を持ったベクトルとして表わすことができる


全く単純なことです。


なぜ、今までそういう考え方をしてこなかったのか、まったく不思議です。

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