10桁も誤差がある
2012.10.13
ほとんどの人は(専門家でなければ)、
電子の大きさなんて当然はっきりしていると思っている。
ところが、いまだに確定していない。
2012.10.13
古典的な電子の半径は本当の半径ではない
古典的な電子の半径(理論値)は、
現在では、本当の半径ではないと見なされている。
ノーベル賞の南部陽一郎の著書(参考文献[32])によると、
古典的な電磁力学でローレンツが提唱したもの、つまり、
古典的な電子の半径(classical electron radius)は矛盾していると述べている。
- 古典的な電子の半径re= 10-15[m]程度
正確な値を示すことに意味がないので、このように10-15[m]程度と書いているようです。確かに、小数点以下を含めて9桁の値が示されていると、それがあたかも正しい値のように受け取られてしまうので、逆にざっくりとした値で説明しているのは適切と言える。
2012.10.13
電子の半径は確定していない
より正しい理論値と最近の実験結果でさえ、その違いは以下のように10桁にもなる。
場の量子論、つまり、素粒子物理の中の1つ、量子電磁力学(QED)では(参考文献[32]p.193)、
- re= 10-32[m]程度
とされているが、これも正しいとは明言していない。
しかし、10-32[m]のほうがより正しい、ということのようだ。
さらに驚くのは、
- 「こんな小さい領域は到底現在の素粒子物理の及ぶところではない」
とさえ述べられている。
素粒子物理って、その程度のものなのか?
電子というありふれた素粒子がまだ解明できていないなんて、本当に驚きです。
そして、2006年の実験によると、
- re < 10-22[m]
これも、明確な値ではない。
結局、オーダー的には、
- 10-32[m] ≦ re < 10-22[m]
と言う範囲の中にあるということしか分かっていない。