2013.06.21〜2018.09.20
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2018.09.19(水)第7版(ver7)発行( 改版履歴 )

回転を加えたパットは距離感が良い(2012年、日本)(世界初の証明!!)




回転を加えないパットでは距離感が悪いこと、そして、良くすることは不可能であることが科学的に明確になった


そこで、回転を加えることがどのように距離感を良くすることにつながるかを見て行こう。

新常識!! 回転を加えることがすなわち距離感が良いパット





正確な方程式を導けたことで、実は、
「科学的ゴルフ上達法」のような測定結果は、回転を加えていない場合の特徴に過ぎないことが科学的に立証できた


そして、プロのように回転を加えると、ほぼ2乗に比例することが新たに証明できた


加える回転が変わると、距離感がどのくらい影響を受けるかを厳密に調べてみると、確かに、プロが加えている回転(γ≈0.137744)が絶妙な回転であることが証明できた



転がる距離が初速の2乗に比例すると言うことは、打った強さに比例した距離だけ転がるということです。
つまり、距離感の良いパットが打てることを意味する。


距離感が良いことは非常に大切であることは誰もが理解している。


普通は、練習をすれば距離感が良くなる単純に思っている。
でも、それは間違いだということがはっきりと証明された。


距離感を良くするためには、回転を加えなければいけない
それが、新常識です。


ただし、それには条件(前提)がある。
それは、「回転を加えないパットを距離感の基準にすること」です。

距離感の良いパットの2つの条件:
  (1) 回転を加える

  (2) 回転を加えない50cm〜1.5mのパットを距離感の基準にする


距離感の基準を何メートルのパットにするべきか?





ラウンド前の練習グリーンで、
1mとか2mのパットを打ってグリーンの速さを確認してから、ロングパットを打ってみる。


そんなとき、基準を2mとか3mのように長めにしたほうが良いのか
あるいは、1mのような短いほうが良いのか、どっちが効果的なのか悩む。


10mのロングパットを打つ時、5mの強さをイメージして、その2倍にしたほうが、誤差が少ないように考えがちですが、5mのパットを打つときの基準をどうするのかという根源的な答えがない。


結局、何の答にもなっていない。


今まで、この問いに明確に答えることができる人はいなかった


そして、ついに、その答えを初めて科学的に証明することができた。


基準のパットは約50cm〜1.5m(世界初の新発見!!)(2012年、日本)
プロと同じ回転(γ≈0.137744)を加えた場合





基準のパットが1mでも2mでも大した差などないだろう、
安易に考えてしまうのが人の常です。


ところが、それは大きな間違いです。


距離をぴったり合わせる、距離感を完璧に近づけるには、
基準のパットは打つ距離によっても異なる。
グリーンスピードによっても異なる。
1つの基準と言うものはない


でも、1つの大きな救いは、狭い範囲に収まっていることです。
それが科学的に証明できた意義は大きい。


大雑把に言えば、1mのパットを基準にすることをお勧めします。
フィート派の人は、3feetと考えればいい。
複雑に考えたくない人は、これで十分です。


本当に、ぴったり距離を合わせようとすれば、
短いパットは50cmを基準にし、
長いパットは1m〜1.5mを基準にする。


大雑把でいいからと言って、
絶対に2m以上を基準にしてはいけない



Ratio of Fall-Foward Roll with No Rotation Added



このグラフを以下の3つのケースと比較するとその違いがよく分かる。



この等高線グラフは、転がる距離がぴったり初速の2乗になるための基準のパットが何メートルなのかを示している。つまり、打つ強さに比例した理想的な距離だけ転がる。距離感の良いパットを打てると言うことです。


このグラフの式は、WolframAlphaによって距離を求める式4〜5段階程度計算すると、求められる。WolframAlphaの入力枠の文字制限で一気に計算できないからです。
自力で方程式を解くのも大変なので、WolframAlphaは本当に便利です。


グリーンスピードが遅いほど、基準のパットも長くなる。
転がる距離が長くなるほど、基準のパットが長くなる。


たとえば、典型的なグリーンスピード7.5ftで、
10mのパットを理想的に転がすためには、回転を加えない約90cmのパットを基準にしなければならない、ということを示している。


逆の見方をすれば、
90cmを基準にして、10mのパットの距離感が合うようになれば、それは、プロと同じ回転を加えることができるようになった、と考えていい。


それは、転がす距離の約10%という意味ではない


たとえば、80mの超ロングパットでさえ、わずかに1.4mのパットを基準にすればよいことからも分かる。


このように、基準のパットは、50cm〜1.5mという狭い範囲に収まっている。
それは、1つの基準がない現実世界の中で、1つの救いです。


オーガスタ並みの高速グリーンの方が範囲が狭い(50cm〜1m)ので、実は、この点では、やさしいグリーンであることが分かる。
かえって、一般ゴルファーがラウンドしている遅いグリーンの方が距離を合わせにくいのです。


このような正しい知識(明確な基準)を知っていれば、
気楽にパットできるはずです。


今後は、悩みが1つ少なくなる。


回転を加えないパットを距離感の基準にする





回転を加えないときの初速(強さ)を距離感の基準にする


それが、回転を加えて打つ時の距離感を良くする唯一の方法です。
そして、それ以外に、現実のパットの距離感を理想に近づける方法はない。


50cm〜1.5mのようなごく短いパットに回転を加えることは普通はない。
そういう意味では、意識することなく、そのように実行できるはずです。


計測データ(その2)は19ft(約6m)のパットなので、この程度の短いパットでさえ、プロは回転を加えている。


距離が長くなればなるほど、回転を加えて転がりを良くしようという心理が働く。

初速の2乗に極めて近い(グリーンスピード7.5ftのケース)





典型的なグリーンスピード7.5ftで、
回転を加えない1mのパット(初速1.20574m/s)を基準にして、回転を加えてみよう。
加える回転は、プロと同じγ=0.137744とし、打つ強さ(初速)が変わっても常に一定と仮定する。
1mのパットの2倍〜9倍の初速で打った時の距離を同様に計算してみると、



このように、2乗に極めて近い値になる。
つまり、距離感の良いパットであることを示している。


厳密には1つの基準はないけれども、プロ並みの回転を加えれば、これだけの違いに収めることができる。


81mのパットでさえショートする長さをわずか5%弱、回転を加えなかった時の5分の1に抑えている


これだけ長いパットなら、プロのように回転を加えたとしても、少し強めに打つ必要があることを示唆している。
あるいは、回転を加えない1.4mのパットを距離感の基準にしてもいい。


現実的な10m前後のパットなら、理想的な距離感と言っていい。


オーバー目になることも逆に利点





2乗よりわずかに大きくなっているのは、
回転を加えることで理想の距離より伸びることを意味する。
回転を加えない初速を基準にしているからです。


20〜30cmオーバーするというのは適度な長さで理想的と言っていい。
カップをオーバーしなければ入らないという金言にぴったりだからです。


意識することなく、オーバー目に打てる。
逆に言えば、カップを外してこの程度オーバーしたら、それは自分の感覚が正しいことを意味する。決して、強すぎた訳ではない。


回転を加えれば、距離感の良いパットになる。
そして、意識することなく、理にかなったパットが打てる。


それが、プロのパットの神髄です。


転がりが良いボールを打つと、思った以上に転がってしまうからパットがかえって難しくなってしまう<span style="color:blue; font-size:12pt">実にもっともらしい理屈を短絡的に考える人もいる</span>けれども、それは全くの非科学であることがこれではっきり証明された。



現実のパットの宿命





結局、「前のめり転がり」はどんな打ち方をしてもゼロにはできない。
その現実から逃れることはできない。宿命のようなものです。


打った強さにできるだけ比例した距離感を出すためには、プロのように回転を加えることが必須であることがこれではっきりした。


プロのパットは、単に、転がりが良いボール、伸びのあるボールであるだけでなく、それは一面的なことで、実は、距離感の良いパットでもある、ということが、科学的に証明できたことは意義深い。


回転を加えたパットだけが、理想に近いパットです。
その前提条件は、回転を加えないパットを基準にすることです。
距離感の良いパットを実現する方法はそれ以外には存在しない



プロのパッティングの方が簡単





あらゆる点で、プロの方が簡単なパッティングをしている
理にかなっている。


逆に、プロのようなパットはできないと諦めている人は、
わざわざプロよりも難しいパッティングをしている


距離感の悪い打ち方をしているのに、距離感を良くしようといくら練習をしても、悩むだけで、全くの無駄な努力です。


それが科学的に証明されたですから、
もう、そんな無駄なパッティングはすぐに止めましょう。


転がりが良く、伸びがあって、しかも、距離感が良いパット。
プロのパットを目指しましょう!!


それが、パットが上手くなる唯一の近道であり、唯一の道です。



グリーンスピード12ftのケース





回転を加えない1mのパット(初速0.987948m/s)を距離感の基準にする。
加える回転は、プロと同じγ=0.137744とする。
1mのパットの2倍〜9倍の初速で打った時の距離を同様に計算してみると、



このように、グリーンスピードが速くなるほど、指数が大きくなる傾向がある。


グリーンスピード12ftは、オーガスタ並みの高速グリーンですが、
このくらい速いグリーンであっても、オーバーする長さは40cm〜2m程度に収まっている


特に、距離が81mのときでも、理想的な2乗に極めて近い


長いパットは、心理的にショートしやすいので、この程度のオーバーがあることがかえって有利に働くでしょう。


10m前後の現実的なパットに重点を置けば、70cmくらいのパットを基準にしたほうが好ましい。グラフを見れば、それがよく分かる。


回転を加えたパットを距離感の基準にしてはいけない





理想論を掲げて、回転を加えた1mのパット(初速1.07169m/s)を基準にしようとすれば、それは逆効果です。


だんだん慣れてくると、
そういう浅はかな考え方が浮かんでくるものです。


典型的なグリーンスピード7.5ftの例で計算してみると、



回転を加えないパットとほとんど変わりなく、
距離感の悪いパットになってしまう
回転を加えないパットよりわずかに良くなるだけです。


この点でも、回転を加えることでかえってパットが難しくなるという考え方が、まったく非科学的だということは明白です。


距離感の基準を間違うと、回転を加えても加えなくても、距離感の悪いことに変わりがなくなってしまう


この点も、今まで、誰も指摘してこなかった


回転を加えない2mのパットを基準にするのは好ましくない





回転を加えない2mのパットを基準にしてもいいと思うかもしれないが、
あまり好ましくない


典型的なグリーンスピード7.5ftの例で、その時の初速1.79277m/sを基準にして計算してみると、



17%〜5%オーバーする。
短い距離のときに、2乗から大きく離れるので、あまり好ましくない。
4mのパットで70cmオーバーするのは、本当に距離を合わせたい時(傾斜のときなど)のことを考えると、できるだけ2乗に近いほうが良い。


距離感の基準になるパットを1mにするか2mかでこれほどの違いが出るというのは、予期せぬ収穫だった。


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