こんな基本的なことですら分かっていない
平面の2倍の強さで打てば必ず届く
いきなりどう曲がるかを求める前に、最も単純なケースを具体的に考えておこう。
つまり、真っ直ぐの上りと下りです。
意外に分かっているようで分かっていないのは、上りのときの打つ強さです。
それでは問題です。
問題1
真っ直ぐの上りで、どんなに傾斜が強くても、
平面の時の何倍の強さでボールを打てば、
少なくとも平面のときと同じ距離だけ進むでしょうか?
ただし、必ず止まるものとします。
どんなに傾斜が急になっても、ものすごく強く打てば止めたい位置をはるかに越えてしまう。打つ強さの限度がどこにあるのか、意外ですが誰もよくわかっていない。ゴルフの本にも書いてないし、誰も教えてくれない。
上りで進む距離Luは、大きさだけを考えれば、式(1-4)から、
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} \left|{L_{u}}\right|= L\cdot\frac{1}{f+g} \\ \end{align} } $ } } \]
と表わせる。(L,f,g > 0)
g= fのときには、摩擦と傾斜の強さが釣り合って、いつまでも転がり続ける。だから、必ず止まるということは、限度はg= fということです。
つまり、f= 1なので、|Lu|= L/2となる。
平面のときのちょうど半分の距離しか進まない。
言い換えれば、2倍の強さで打てばどんな傾斜でも必ず届くということです。
言われてみれば、ありそうな答えだと思える。
しかし、ゴルファーはそんなことも知らずに(教えられずに)プレーをしている。
限度を知れば、少しは不安が解消できるはずです。
傾斜の強さg=1のときの傾斜角θで示すように、約6度の傾斜角(典型的なグリーンスピード7.5ftの場合)がg= f =1に相当する。