Stimp値のとらえ方は人それぞれ
グリーンの速さの新基準 (雨、芝の長さ)
分類 | 新基準 |
Super Fast | 19’6” (5.94m) |
Augusta Fast | 13’11” (4.24m) |
Pro’s Fast |
10’10” (3.30m) |
Fast | 8’10” (2.70m) |
Medium Fast | 7’6” |
Medium | 6’6” (1.98m) |
Medium Slow | 5’9” (1.75m) |
Slow | 5’2” (1.56m) |
Extra Slow | 4’8” (1.42m) |
従来(下記)は、 速さに比例するといういたって普通の分類です。
それに対して、ここに示した新基準にはもう一つの科学的な裏付けがある(詳細は別の機会に示す)。
雨が降ったとき、1段階遅くなるように決めてある。
雨が降っただけでスコアーが極端に伸びないようにするための指標にもなるだろう。
言い換えれば、この表は、雨になったときに、どのくらい遅くなるのかを示している。 意外に、知っているようで知らない。もちろん、ラウンドできるくらいの雨の量です。
晴れた日にMedium Fast(7.5ft)でも、雨が降れば、1段階下のMedium(6.5ft)にまで遅くなる。
この典型的な速さのグリーンは、偶然にも、従来の分類と一致する。それは偶然でもあり、必然とも言える。
そして、この新基準は、 Medium Fast(7.5ft)とMedium(6.5ft)の違いに基づいて計算したものです。
ガラスのグリーンと言われるオーガスタも、雨が降れば、普通のプロツアーのグリーンと同じになってしまう。
Super Fastというのは、現実にはないだろうが、もしオーガスタより速いグリーンを作るなら、約20ftもの速さにする必要があるということを示している。
グリーンが速くなればなるほど、雨の影響を大きく受けるということです。
別の見方をすれば、芝が伸びて遅くなることにも当てはまる。速いグリーンほどその影響が大きい。
雨の量、芝が何mm伸びたかによってどうなるか?、と考えたくなる。そんなことを考えようとするから、何も理解できないのです。
ここで示したのは、もし、ある一定の強さの抵抗が増えたときに、その影響がグリーンスピードにどれだけ出るのかです。
晴れた日にMedium Fast(7.5ft)のグリーンは、雨になれば、7.5/6.5 ≈ 1.15倍の強さで打てばいい。10mのパットなら、1.5mだけ強く打てばいいということです。ただし、これは晴の日の距離感を基準にすればと言うことです。
この新基準は、Yさんからの質問に答えているときに思いついた。
(従来) グリーンの速さの分類(典型的な7.5フィート)
Stimpmeterで測定した値がどの程度を速いとか遅いと言うのかは、人によっても違うようです。以下は欧米のデータ(一例)です。
単に、1フィートの差でグリーンスピードを分類している。均等にするのが分かりやすいという単純な理由だったのでしょう。
分類 | 一般のゴルフ場 | トーナメント | ある人の意見 |
Augusta Fast | --- | --- |
12’以上 |
アメリカPGA |
--- | --- |
11’ |
Fast | 8’6” (2.6m) |
10’6” |
10’ |
Medium Fast | 7’6” |
9’6” |
--- |
Medium | 6’6” (2.0m) |
8’6” |
--- |
Medium Slow | 5’6” (1.7m) |
7’6” |
--- |
Slow | 4’6” (1.4m) |
6’6” |
7’ |
グリーンスピード、傾斜角と傾斜の強さgの関係
カップは傾斜の強さg=0.5以下の場所に切ることが推奨されている。
境界領域としてg=0.5〜0.7の場所も限定的に切られることがある。
g=0.7を越える場所にカップを切ることは普通はない。
この条件によって、現実のカップ周辺の傾斜角はせいぜい3〜5度(5〜8%)に過ぎないことが分かる。
ただし、典型的な段差の傾斜角は26.57度(50%)にもなる。
オーガスタのグリーンスピード:
1981年にBermuda grassからbentgrassに植え替えられたときトーナメント初日の二日前に、公式に9.9フィートと発表された。公表したのはこの時が最初で最後。
2000年にUSGAから11.5フィートを指示されたが、実際にそうしたかどうかはわからない。
2002年、オーガスタのグリーンスピードは12~15フィートと言われている。
アメリカの一般のゴルフ場の典型的なグリーンスピードは7'6"(2.3メートル)と言う人がいるので、それに比べれば、オーガスタはちょうど2倍の速さがあるということになる。
いくら速くすると言っても、3倍も4倍も速くするということはないということがわかる。