真のグリーンスピードは計測されたグリーンスピードの約9%増し(2011年、日本)
思っている以上にエネルギーロスがある
Stimpmeterとの間の摩擦はゼロに近いと普通は考えていますが、
Stimpmeterの初速Vs=1.83m/sは、Stimpmeterとの間の摩擦でエネルギーを失った状態の速度です。
Stimpmeterの摩擦がゼロと仮定した時の初速Vnは、V<sub>n</sub>=1.91m/sなので、測定されたグリーンスピードを(Vn/Vs)2=(1.91/1.83)2倍したものが、『真のグリーンスピード』です。
一般式は、式(2-4)も利用して、以下のようにまとめられる。
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} G_{n}=&\frac{V_{n}^{\hspace{3pt}2}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}G_{s}\\ \therefore \frac{G_{s}}{V_{s}^{\hspace{3pt}2}}=&\frac{G_{n}}{V_{n}^{\hspace{3pt}2}}\\ =&\frac{G_{n}}{\frac{10}{7}g_{r}\cdot h}\hspace{10pt}…{\normalsize(2-4-1)}\\ \\ G_{s}&: グリーンスピード\\ G_{n}&: 真のグリーンスピード\\ V_{s}&: Stimpmeterの初速1.83m/s\\ V_{n}&: Stimpmeterの初速1.91m/s(摩擦なし)\\ g_{r}&: 重力加速度9.8m/s^{2}\\ h&: Stimpmeterの高さ(0.2606m)\\ \end{align} } $ } } \]
見かけ上のグリーンスピードより約9%も長くなる。
例えば、典型的なグリーンスピードは7.5ft(2.286m)ですが、8.17ft(2.490m)が真のグリーンスピードです。
20cmも違う。
思っていた以上に、エネルギーをロスしていることが分かる。
上記の式に示される比例関係があるので、傾斜の強さgを求める式(2-28)は見かけのグリーンスピードでも真のグリーンスピードでも同じです。
真のグリーンスピードは、通常は考える必要はないのですが、段差を科学する時に、重要なファクターになる。