「滑り摩擦モデル」とは全運動量の保存という非科学を意味する(2013年、日本)
滑り摩擦がトルクを発生させるという「滑り摩擦モデル」でボールが滑らなくなる時の速度の意味をもう少し深く考えてみることにしよう。そうすることで、滑り摩擦モデルが全くの作り話であることが論理的に証明される。
滑らなくなった時の速度の意味とは?
滑り摩擦モデルでは、滑らなくなったときの並進速度Vtは、
- Vt=5/7V0
さて、この速度は何を意味するだろう?
ただし、簡単のため、初角速度ω0 = 0とする。
つまり、ボールの真横から打ったと仮定する。
式(1)、(2)は運動方程式から得られる。
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} \\ \\ 滑り摩擦&モデルの関係式\\ V_{t} =& V_{0}\color{blue}{-\mu gt}…(1)\\ \omega_{t} =& \color{blue}{+}\mu gt \frac{mr}{I_{c}}…(2)\\ V_{t} =& r\omega_{t}\\ この3つ&の関係から、\\ t=&\frac{2}{7g\mu}V_{0}\\ V_{t}=&\color{blue}{\frac{5}{7}}V_{0}\\ \\ &V_{0}: 初速\\ &V_{t}: 滑らなくなった時の速度\\ &t: 滑らなくなった時の時間\\ &m: ボールの質量\\ &I_{c}=\frac{2}{5}mr^{2}:ボールの中心回りの慣性モーメント\\ &\mu:滑り摩擦係数\\ \end{align} } $ } } \]
並進の運動量がmVであるという考え方では何の意味も説明できない
並進の運動量mVと角運動量は次元が異なるので、全運動量の変化を考えることすらできない。滑り摩擦モデルを運動量とうい観点で説明することはできない。
最初の全運動量は並進の運動量mV0のみである。
滑らなくなったとき、並進の運動量はmVt = 5/7 mV0まで減り、
一方、角運動量はIcωt = 2/5 mrVt= 2/7 mrV0に増える。
しかし、次元が異なるので、加えることも比較することもできない。