斜面での摩擦は平面と同じと仮定







現実の芝の斜面では摩擦も垂直抗力も変化しない




これも、学校で習ったことに固執してしまうからだと思うが、斜面では垂直抗力が減少するので、摩擦自体も弱くなると考えたくなる



本サイトでは、基本的には、斜面での摩擦は平面と同じと仮定している。


第一の理由は、傾斜での転がり方の本質をより明確にできるからです。


第二に、実際問題として、凸凹も全くない面に、ボールの一点で接しているなんてことはあり得ない。


ゴルフ・ボールが芝の上にあることを想像してみれば分かる。
複数の芝の葉が包み込むようにボールを支えている
決して、上図のような理想的、教科書的な形で垂直抗力が加えられてはいないと考えられる。


斜面にボールを置いた時、葉の角度は多少変わるかもしれないが、支えている状態はほとんど変わらないと考えていいだろう。
ボールは球体なので、平面でも斜面でも、必ず、最下点の周辺で芝に接しているはず。


だから、平面でも斜面でも、摩擦は変化しない、と考えるほうがより現実に近いということです。


それに、実際のグリーンの傾斜角はたったの5度程度でしかない(参考文献[1])。
教科書の問題のように単純に計算すれば、摩擦は1パーセントも変化しないので、"アンケート"の例で言えば、せいぜい1センチしか越えないはず。簡単な実験をしてみれば、垂直抗力の変化だけでは説明できないことがわかる。


BREDE氏(スティンプメータを参照)による実験から考えると、少なくとも6%(傾斜角3.4度)までの傾斜なら、垂直抗力は変化しないということが間接的に推測できる。


そういう点から言っても、まずは、摩擦が変化しないと仮定するのが、解析の第一歩です。


もちろん、あとで、摩擦fの値を変えて計算してみれば、その影響がどのくらいあるかがはっきり分かる。だからこそ、式の中にfを残してある

|