距離はエネルギーに比例する




これは当たり前

 
石どおりにボールを剛体として考える。
学校で習ったように、ボールの角速度ωは、ボールの半径をrとすれば、
ボールの速度Vとの間に、
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} V=r\cdot \omega\ \ \ …{\normalsize(1-1)}\\ \end{align} } $ } } \]
という関係がある。
 
初速ω0で打ち出されたボールが、距離Lだけ進んで止まるということは、
「摩擦力Fによってなされた仕事F・Lと最初の角運動エネルギーが等しい」、
ということなので、ボールの慣性モーメント(質点系の質量に相当する)を I とすると、
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} 0-\frac{I}{2}\cdot \omega_{0}^{\hspace{3pt}2}=F\cdot L \end{align} } $ } } \]
である。よって、距離Lは、
\[ {\Large \fbox{ $ \displaystyle{ \begin{align} L=&\frac{-I}{2}\cdot\frac{\omega_{0}^{\hspace{3pt}2}}{F}\\ =&\frac{-I}{2r^{\hspace{3pt}2}}\cdot\frac{V_{0}^{\hspace{3pt}2}}{F}…{\normalsize(1-2)}\\ \end{align} } $ } } \]
である。
要するに、進む距離Lは、打ち出されたときのボールが持っているエネルギー(速度の2乗)に比例するということだから、当り前です。
 
ボールを打つ強さに比例したエネルギーがボールに伝わると仮定すれば、打つ強さに比例した距離だけ転がることになる。
実際、ゴルファーは感覚的に距離を打ち分けている。
 
この式は、減速の場合だけでなく、加速の場合にも成り立つ。
Fと同じ大きさの加速度が加わって速度ゼロから速度V0になったと考えればわかるでしょう。

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