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空気抵抗がない・速度に比例した空気抵抗よりも一定の摩擦力なんて簡単だろうか?


なぜ簡単に説明できないのか?



なぜこんな単純な物理現象(アンケート)が言葉だけで簡単に説明できないのでしょう?




正解を聞いても、そんな答えは信じられないと言う人もいるでしょう。
これがどれだけ重大なことかがなかなか理解できないようです。
質問があまりにも簡単に見えるので、難しい入試の問題に比べれば簡単過ぎて、大したことじゃない、と思うからかもしれない。


頭のいい人ほど、ちょっと考えてみて、論的には答1(真下で止まる)と決めつけてしまう傾向がある。学校では簡単に解ける問題しか教わらないし、これもそれと同じに違いないという思い込み(短絡的な推測)がどうしても出てしまうからでしょう。何の疑問も持たない。


言葉だけでは説明できない





似た問題として教科書に載っている問題の中の一つを考えてみると、簡単に説明できない理由がよくわかる。
速度に比例した空気抵抗の問題です。


速度に比例した力が加わったときに、どんな曲線を描くかということを想像できる人間はたぶんいないでしょう。言葉では説明できない


常識的には、それが放物曲線であると言うことは理解しています。


放物運動と転がりとは似て非なるもの

野球のボールを投げたとき、投げる強さに比例した距離に届くことは経験上知っている。それが当たり前だと理解している。


速度に比例した空気抵抗の場合も抵抗を考えない場合も独立した2つの成分に分解できるという極めて単純な問題です。そういう問題しか高校では教えない。


このような数式的に簡単に解ける問題でさえ、言葉だけで理解することはやはりできない


速度に比例した空気抵抗でさえこんなに簡単に解けるんだから、一定の摩擦なんて簡単だと思い込んでしまう。一定の摩擦も同じに違いない、と思い込んでしまうのは無理もないことです。


ところが、一定の摩擦の場合は、独立した2つの成分に単純には分解できない
それが、放物運動との大きな違いになる。

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